「地元就職」 ③ 情報共有で雇用マッチング
次代への軌跡
石巻市 次代への軌跡 近江 瞬 2019年11月1日(金) 8時41分簡単に言えば、高校生の地元就職を推進するためには、働き手を求める職種と、高校生が希望する職種を合致させることが求められる。生徒と保護者がなじみある業種やイメージで選ぶ傾向が強いのであれば、その解決策はなじみある業種を増やすか、イメージを塗り替えていくこと。地元企業で就業体験を行う「インターンシップ」が、職業選択の幅を広げる手法の一つとして盛んに行われている。
石巻管内では実業高校を中心に11校中7校でインターンを実施。学年別に社会人講話などと同様、キャリア教育の授業に組み込み、主に2―3日だが、中には1週間の期間を割く学校もある。
県は産学官金の連携で産業人材の育成、定着に向け、平成27年度に「石巻地域産業人材育成プラットフォーム会議」を組織。学校と企業双方の計画や体制、実施後の検証などを盛り込み、受入企業をリスト化した「石巻地域版インターンシップ」のガイドブックを作った。学校の枠を越えて情報共有し、学校と企業をマッチングさせるとともに、形式的になりがちなインターンの実効性を高める狙いだ。
石巻商工会議所も会員企業60社の協力を得てインターンで地元4校と連携。今年7月には地域の持続的な発展を支える人材育成に向けた連携強化で、石巻専修大学と石巻地域高等教育事業団、石巻地区高等学校長協会の3者が「石巻地域連携推進コンソーシアム」を立ち上げ、さらなる協働を模索している。
取り組みの一例で桜坂高校を見れば、県の指針を活用して3年間の段階的なキャリア教育を展開し、生徒が自分事としてとらえやすいように卒業生や若手社員を中心に招いた社会人講話、全2年生を対象とした2日間のインターンを実施。インターンは多様な職に触れる機会として生徒の希望に関係なく事業所を割り当て、実施後には同級生や1年生と学びを共有する時間も設けている。
IT(情報技術)関連に就職を希望している生徒の一人は、畑違いの介護の現場でインターン。「知らなかった楽しさも見出せた。なりたい職業の視野に入った」と選択肢の広がりを語った。

関連記事
「地元就職」⑤ 自己実現へ知る機会の拡大を 次代への軌跡
2019年11月2日(土) 16時00分
「地元就職」④ 義務教育から長期のアプローチ 次代への軌跡
2019年11月2日(土) 10時55分
「地元就職」 ② 偏る希望職種、流出する人材 次代への軌跡
2019年10月31日(木) 8時37分
「地元就職」 ① 震災後、加速する人出不足 次代への軌跡
2019年10月30日(水) 8時48分
新着記事
-
石巻市議会定例会は28日の本会議で、追加提案された本年度の補正予算案を審議した。新型コロナウイルスへの対応をただす関...(続きを読む)2020年3月2日(月) 11時05分
-
政府が26日に新型コロナウイルスの感染拡大防止へ今後2週間の催しについて中止・延期または規模縮小を要請したことを受け、...(続きを読む)2020年3月2日(月) 11時03分
-
石巻市は28日、新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長・亀山紘市長)の第3回会議を市役所で開き、首相の要請に基づき市...(続きを読む)2020年2月29日(土) 10時58分
-
石巻市議会定例会は27日、本会議で新年度の一般会計など予算案を審議した。予算案に関連して空席となっている第2副市長の選...(続きを読む)2020年2月29日(土) 10時53分
-
石巻市立蛇田小学校は26日、溶接などを手掛ける同市大街道東の(株)宮富士工業(後藤春雄社長)で、ものづくり体験を行った...(続きを読む)2020年2月28日(金) 9時16分
-
地域の未来を考える紙面企画「次代への軌跡」では18日から5回、主に石巻市内の中学校に焦点を当てた「部活動の選択肢」をテ...(続きを読む)2020年2月27日(木) 13時03分
-
東松島市は25日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議(本部長・渥美巖市長)を開き、要請を受けた大崎市と涌谷町にマス...(続きを読む)2020年2月27日(木) 10時01分