「飲酒運転根絶」 ① 県内ワーストの不名誉
次代への軌跡
石巻市 次代への軌跡 渡邊 裕紀 2019年10月2日(水) 8時48分石巻地方における課題の一つとして、長年にわたって問題となっている「飲酒運転」。発生件数がとても多い宮城県内でも毎年のようにワーストを争う。
最近は飲食店で酒を飲むケースのほか、自宅で酒を飲んでから車を運転して摘発される件数も増加。石巻署は取締りを強化しているが、根本的な解決には地域が一体となって監視の目を光らせることが重要だ。飲酒運転を根絶するために何ができるのか。解決策を考えてみたい。
宮城県内で8月末までに発生した飲酒運転による交通事故は42件、トップが仙台市青葉区の8件だが、同市以外で突出しているのが石巻市(4件)だ。石巻署管内で8月末までに飲酒運転で摘発されたのは32人で、その大半が石巻市内。飲食店で酒を飲み、そのまま車を運転した人が12件あり、中には飲食店の関係者が摘発される事例もある。
それと肩を並べるのが自宅で酒を飲んだケースの13件。つまみや酒が不足し、そのまま車を運転して買い足しに出かける違反者が後を絶たない。また、信じられないことに車内で酒を飲んでしまうドライバーもおり、今年はすでに5件あった。
摘発者の年代別では最も多いのが働き盛りの30代で9人。次いで40代、60代がそれぞれ6人と続き、70代以上も3人いた。発生時間帯は夜間20件、昼間10件と時間を問わず飲酒運転が横行していることが分かる。
石巻地方では「田舎特有の緩さ」が指摘される。良い意味もあるが、飲酒運転に限定すれば悪しき慣習と言える。「昭和40年代ごろはみんな緩く、飲酒運転しても許される時代だった」と当時の世相を表したたとえ話も聞くが、そのころだって飲酒運転は決して許されるものではない。
昭和から平成、そして令和の時代を迎えても移動手段に自動車は不可欠な存在。便利で安全な乗り物だが、使い方を誤れば人の命を奪う凶器にもなり得ることをしっかりと認識するところから、始めなければならない。

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