「飲酒運転根絶」 ⑤ 飲酒者自らの意識改革
次代への軌跡
石巻市 次代への軌跡 渡邊 裕紀 2019年10月7日(月) 8時51分警察署や市、関係団体、飲食店によるさまざまな飲酒運転根絶活動は継続的に行われている。しかし、事故や検問、通報などでの摘発は後を絶たない。最後は飲酒者本人の自覚の問題という結論にたどり着く。
無免許運転だった摘発者の事例も少なくない。一度、飲酒運転で免許停止や取り消しの処分を受けたにも関わらず、再び酒を飲んで車を運転するという考えられない行動に出て捕まっており、犯罪の認識がまったくと言っていいほどない。「秋の交通安全運動」(9月21―30日)期間中も4件の摘発があり、意識の低さが露呈した。
飲酒運転で摘発されれば、刑罰や罰金だけでは済まない。勤務する会社からは解雇される可能性もあり、収入も絶たれて精神的な苦痛を家族も味わう。社会的信用の失墜は、家庭の崩壊も招きかねない。また人身事故を起こせば、被害者やその家族にも多大な影響を与える。それだけ重大な犯罪であることを認識すべきだ。
しかし、実際にはそれを受け止めていない人たちがいるのも事実。取材などで啓発活動に伺うと「参加しているだけ」と見受けられる場面も少なからず目に付く。意識向陽を図らねばならない場で、我関せずとスマートフォンなどを操作する姿は、活動が長く続く中で初志を忘れ、形骸化していることを感じる。「ただやるだけ」の活動で飲酒運転は止められない。
そうなると、強制的に飲酒運転をやめさせるシステムが必要になる。個人的意見では飲食店での酒類の提供やコンビニなどでの販売を規制すべきと考えるが、やはりこれは現実的ではない。
運転免許証のICカード機能を活用するのも手だと考える。自動車を運転する際、登録されている免許証を差し込まなければエンジンが始動できないようにすれば、まず無免許運転は根絶できるだろう。呼気によってアルコールをチェックする機能も開発が進んでおり、さらに技術が進めば自動車の完全自動運転も実現するが、それまでは時間も必要だ。
今できることは運転者自身の意識改革に行きつく。そのためには行政、民間、警察がこれまで以上に連携を強め、訴えていくしかない。

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