「運転免許返納」 ③ 勇退時期の判断重要
石巻市 次代への軌跡 横井 康彦 2019年9月13日(金) 8時43分高齢ドライバーの運転免許返納には、免許を持つ本人の意思がなにより重要となる。身体の衰えを理解し、正しく運転操作を行えるか、判断できているかを知ることで、車との向き合い方も変わる。国は平成29年から、75歳以上の高齢ドライバーを対象に、免許更新の際の高齢者講習に加え、認知機能検査を義務化。更新時以外でも、交通違反後1カ月以内に検査が必要な法改正で、免許の適正を見極める環境を整備した。
警察では、一定回数違反や事故を起こした高齢者を対象に、家庭訪問など個別指導を通じて、ドライバーに対して身体・運転技術の衰えについて家族で考えてもらう機会を設けている。石巻署では独自の取り組みとして、長年にわたり交通安全に従事し、返納という重い決断に至った高齢者への感謝と労いの意味を込め、感謝状の贈呈や反射材のセットを手渡し、節目をたたえている。
また、石巻地区交通安全協会では、各支部単位で高齢者に対する安全講習に注力。返納が難しいドライバーに、運転時間や範囲を自ら限定するなどの工夫を呼び掛け、秋の交通安全運動では、安全補助機能を備えたサポートカーの乗車体験などの機会も設け、運転を続ける場合の備え方を提示している。
自治体における支援策にも動きが出てきた。石巻地方ではこれまで女川町のみが運転経歴証明書を役場に提示することで、町民バス回数券2千円相当または温泉施設「ゆぽっぽ」入浴回数券(2500円相当)を交付する取り組みを実施してきたが、東松島市でも返納者支援で平日運行のデマンドタクシー「らくらく号」の料金割引の検討を始めた。
一方、石巻市は、旧町、旧市街地各所を走る住民・市民バスなど既存の公共交通路線を活用してもらうことで、普段の通院や買い物が行えるとしている。路線維持に年間2億円が投じられ、国と県からも計約1億円の助成を受けている。だが、どの路線も1日当たりの利用者数が少ない。
「移動に時間がかかる」などの声が多いが、車がある生活と比較していては、大抵の公共交通は不便に感じてしまうはず。公共交通は利用者の減少が続くと、既存路線すら廃止となり、本当に不便な地域になりかねない。
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