「水産と観光」 ④ 協力体制で長期発展へ
次代への軌跡
石巻市 次代への軌跡 阿部 達人 2019年8月23日(金) 17時19分石巻フードツーリズム研究会石巻おでん部会長で、石巻うまいもの(株)の参画企業でもある山徳平塚水産=石巻市魚町=の平塚隆一郎社長は「こうした取り組みを通じ、直接的に実績へ上乗せされる数字は決して大きくない」と話す。
だからといって地域振興への思いだけを原動力としているのではなく、「震災後、何も手を打たなければ会社がじり貧になるのは目に見えていた。石巻のブランド価値を高めることで、最終的に利益につながれば」と望む。
震災後の石巻の水産業はハード面の被害はもとより、販路の縮小や原魚高など課題が山積。各事業者は以前の企業活動にとどまらない打開策を探る。
そこで同社のように、利益を図る新たな取り組みとして観光の視点を持つことも重要だろう。新たな事業展開は多少なりとも負担を伴うが、多事業者が手を組むことはリスク分散につながる。企業体力が落ち込む現状に即した手法といえる。
また観光は長期的に発展させていくべきであり、持続的に活動していく上でも事業者間の協力は必要になる。
その長期的な視点に立てば、石巻魚市場と市水産総合振興センターの「見る」「買う」「食べる」のまとまり、フードツーリズム研の具材直売会や工場見学会は、水産を軸とした観光の芽生えといった段階だろう。
旅先として求められる条件は、交通や施設、人員など幅広く、現状では整わないものも多い。フードツーリズム研の須能邦雄会長は「小さなところから着手し、今あるものを充実させていくしかない。ツーリズム研の活動は“火種”。それが広がり、人々の動きが増えればそこに必要なものが整備されていく」と語る。
また、石巻魚市場の佐々木茂樹社長は民間事業者の魚町での商業活動について「効果があれば後続も望めるのでは」と見る。観光資源、そのPRの充実も実績の上に積み重なっていくもの。新たに芽生えた観光の土台から、たとえば現状では難しい工場見学や生鮮食品の販売などへと連なっていき、相乗効果を生みながら地域経済の振興へと結びつけば理想的な将来像だ。
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