石巻日日新聞

文化団体の力 ③ 対応 情報発信と取得に世代差

次代への軌跡

石巻市 次代への軌跡 近江 瞬 5月30日(木) 21時44分
分野によっては新規愛好者獲得に向けた体験会も開いている

 従来の高齢者を中心とした文化芸術団体と、若者をはじめとする新たな文化活動。地域の文化活動の継承と発展には両者の連携が不可欠だが、具体的な手立ては今のところ多くは見られない。初回で述べた「高齢化による会員不足」といった嘆きはある種の枕詞のように用いられるが、石巻市文化協会の西條允敏会長は「努力をしなければ改善には向かわない」と指摘する。

 分野によっては新規会員の獲得へ具体的な取り組みを進めている団体もある。例えば華道の小原流石巻支部は小中学生対象の教室を6月から開く。また、茶道では季節やイベントに合わせて広く市民に親しめる茶席を開催。さらに市教委生涯学習課の主催で今年2月に初開催された初心者が対象の「はじめての日本画」ワークショップも好評を博した。

 それ自体がそのまま今後の活動の拡大につながるほど甘くはないだろうが、内側にこもりがちな芸術文化の活動を、積極的に外に開き、〝見える化〟することには大きな意味がある。

 加えて、会員の循環と世代間の連携の壁となっているものに情報の発信・取得方法の違いがある。高齢者世代は紙媒体を主とするのに対し、若者世代のコミュニケーションの中心はSNSをはじめとしたインターネット。同世代間ではある程度の情報共有が図られるが、他世代にまで行き届くには互いにこの壁を乗り越える必要がある。

 〝見える化〟と情報発信の点では、石巻市が公民館をはじめとした地域の文化芸術などの講座や団体を集約し、地域を大きな学びの場ととらえる石巻市民大学「まなび舎」に29年から取り組んでいる。

 初年度に133のプログラムを用意し、翌30年度は146に増加。数だけを見れば実績が上がっているように見えるが、年に1度紙媒体で発行するとともに市のホームページに掲載しているのみで、結局は集約してカタログ化したにとどまる。課題となる発信と取得の解決には至っておらず、ママサークルなどを除けば、若者世代では存在すら知らない人の方が多い。(近江瞬)

最終更新:5月30日(木) 21時44分

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