文化団体の力 ① 課題 高齢化で減る会員数
次代への軌跡
石巻市 次代への軌跡 近江 瞬 2019年5月29日(水) 18時21分「高齢化による会員不足でこの先10年、20年と続いていくには…」。石巻地方のみならず全国の文化芸術団体は同様の悩みを抱えながら活動する。一部の会員が長く愛好する一方で、若手の入会はわずか。循環が上手く生まれず、手を打たなくては今後、消滅、休止する団体も少なくない。かつて「文化不毛の地」と揶揄(やゆ)された歴史を繰り返してはならない。
平成29年度現在、石巻市の文化芸術団体の取りまとめ役である石巻市文化協会(西條允敏会長)に所属する旧市内の団体数は56団体で会員は2470人。旧市時代の平成6年に発足した石巻文化協会の当時の所属数が103団体約6千人だったことを考えれば、この20年間で激減していると言える。
これらの多くの団体が活動拠点とするのは公民館だが、利用団体で組織する利用団体連絡協議会の会員も同様に減少。中心部の拠点を担う石巻中央公民館でも毎年のように微減している実情だ。
文化芸術活動は主に市民の生きがいづくりとして生涯学習に位置付けられるが、一方で東日本大震災後の避難所や仮設住宅団地の支援がそうであったように、つながりを生む核として重要な役割も果たす。特にこれからは心の復興が求められており、その重要項目にコミュニティーの再生がある。ともすれば、文化芸術活動の衰退はそのまま地域コミュニティーの減衰に影響を及ぼしかねない。
さらに活動の衰退はこれまで拠点となってきた公民館を含めた施設の活用縮小につながる危惧もある。最悪の場合、現在まで重要な施設とされた場所が活用されない〝ハコモノ〟化してしまう可能性もはらんでいる。
また2年後に市民会館と石巻文化センターの代替施設で(仮称)市複合文化施設が完成する。ホール、生涯学習、博物館の3機能があり、ホール機能は自主事業と貸館事業が柱。貸館は主に文化団体の利用を想定している。加えて生涯学習機能の主役が市民であることは言わずもがな。約130億円をかけて整備し、年間維持費が約3億円ともされる施設の有効活用には、活発な市民活動が大前提となる。
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