石巻日日新聞

インバウンド ④ 展望 通年受入の態勢重要

次代への軌跡

石巻市 次代への軌跡 横井 康彦 4月14日(日) 0時22分

 石巻市や街なかインバウンドネットワークの最終目標は、外国人旅行客への通年対応を整えること。年数回訪れる大型客船への対応はいわば入門編になる。インバウンド本来の効果を得るためには、仙台空港あるいは関東圏などから東北へと足を延ばす旅行者を呼び込み、満喫できるようシフトしなければならない。そのためには、中心市街地の枠を越えた広域的な連携が必要だ。

 誘客策を練る上で、年間どれほどの外国人旅行者が石巻市を訪れ、何を求めているかという実態とニーズを把握し、官民で共有することが先決。事業者は「最近外国人のお客様が増えているな」という肌感覚だけが現状を把握する指標となっている。キャッシュレス化、イスラム教のハラル食対応などを検討する上でも、採算性を考える材料が足りていない。

 客船乗客への個別アンケートが出来ないため、同ネットワークでは、接客した各事業者を対象にアンケートを実施。それでもデータ量はごくわずかであり、石巻市や観光協会の協力が不可欠だ。

 多言語化対応とし、市は平成31年度からようやく英語表記の看板設置を本格化する。31年度に中心市街地と牡鹿半島、「キャットアイランド」として人気の田代島など網地島、金華山の離島3島。32―33年度に旧町などへ整備するが、石ノ森萬画館や旧観慶丸商店といった主要施設にある展示説明文の多言語化が残されている。

 そうした受け皿を整えた上で、客船以外の誘客策を思案しなければならない。仙台空港に降り立つ外国人旅行者の県内観光は、日本三景松島を見て回り、仙台都市部で買い物が主。インバウンド分野も仙台一極集中の傾向が強く、鉄道利用で仙台―岩手県一関市に向かうケースも近年増えている。

 三陸道を利用した車移動なら仙台―石巻間は1時間。鉄道利用でもおおむね1時間だが、この移動時間を新幹線利用にあてると、旅行者の観光範囲は他県まで広がってしまう。

 「猫の島」「マンガの街」「魚がうまい」。外国人旅行者にPR出来ているか。ニーズに合っているか。地域の魅力掘り起こしも、環境整備と併せて進めていかなければならない。

(横井康彦)

最終更新:4月14日(日) 0時22分
石巻日日新聞を購読する

新着記事