インバウンド ③ 対応 あすの入港へスクラム
次代への軌跡
石巻市 次代への軌跡 横井 康彦 2019年4月14日(日) 0時18分訪日外国人旅行客の受け入れ態勢構築を目指す「街なかインバウンド推進ネットワーク」には、石巻市中心市街地に約200ある店舗のうち、64商店主らが参加している。当面は年数回の外国客船寄港に備え、①情報共有②多言語対応③おもてなしメニュー考案―を進めることに。受け入れ態勢の充実と商機の拡大の基礎が築かれれば、おのずと通年インバウンド対応への道も開かれる。
ネットワークが発足したことで、官民の情報共有がスムーズに。今月12日寄港予定の「ダイヤモンド・プリンセス」に関しても、乗客数、国籍の傾向、寄港後のスケジュールとシャトルバスのルートの情報が個々の商業者に行き渡っている。
多言語への対応に向けても、ガイドと通訳者が2人1組で応対する「街なかインフォメーションセンター」を市街地7カ所に設けるほか、ガイドなしでも旅行者が石巻を散策できるよう主要観光施設や飲食店、タクシー停車地やトイレの位置を盛り込んだ英語版散策マップを作成した。
各店舗では、接客時の会話補助ツール「多言語版指差しシート」、多言語コールセンターにつなぎ受話器でやり取りする「多言語電話通訳サービス」などを導入。価格表示の英語化も進み、「ウエルカムいしのまき」のフラッグが歓迎ムードを高めている。
石巻を満喫してもらえるよう、抹茶の振舞い、冷酒利き酒、書道体験、巻きずし、着物写真撮影など日本文化などに触れられる計20種の体験プログラムも計画。現時点では最大限のおもてなしが整った。
いよいよあす、ダイヤモンド・プリンセスが入港する。事業者らが事前準備を施したうえで臨む今回の寄港。中心市街地における本来の「インバウンド対応力」が見えてくるだろう。石巻圏観光推進機構(DMO)でも、女川町へのシャトルバスを運行する試みに出る。石巻圏全体にインバウンド効果を広めていくための一歩であり、どれだけの人が女川町を訪れるかで、地域別の関心度も見えてくる。まずは無事に寄港することを祈りながら、あすの展望に備える。(横井康彦)
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