石巻日日新聞

和紅茶「キタハ」世界にアピール 石巻市のあさひ園

G20大阪夕食会で提供 県内唯一の選出品

広域 社会 石巻日日新聞 2019年7月2日(火) 16時16分
G20の首脳夕食会で提供された和紅茶「kitaha」

 大阪府で6月28―29日に開かれたG20大阪サミットの首脳夕食会で、石巻市旭町のお茶のあさひ園を運営する(有)ファーム・ソレイユ東北(日野雅晴社長)が開発した東北地方初の和紅茶「kitaha(キタハ)」が出された。外務省が特設サイトでメニューを公開しており、県内からは唯一選ばれた。同社キタハブランド責任者で次女の日野朱夏さん(26)は「驚いた。関わってくれているすべての方に感謝したい」と喜びを語っている。

 キタハは「石巻のもので石巻を元気にしたい」という日野社長の思いをきっかけに、石巻市桃生町で生産されている北限の茶「桃生茶」の茶葉を用いて平成29年に商品化された。東北地方初にして唯一の和紅茶として現在、県内外から注目を集めている。

 キタハが提供されたのは、G20各国首脳と招待国首脳、国際機関の代表者とその配偶者らが出席し、初日の28日に大阪迎賓館で開かれた首脳夕食会。「サステイナビリティーとガストロノミーの融合」をテーマとしたメニューが組まれ、飲み物は世界的なソムリエの田崎真也氏が監修した。

 飲料は東日本大震災の被災3県から1品ずつ採用され、食後の飲料の一つとしてキタハが提供された。夕食会の前には、文化行事として狂言師の野村萬斎氏やピアニストの辻井伸行氏らによる演目も披露された。

 夕食会でキタハが提供されることについて、同社は事前に知らされておらず、朱夏さんも来店者に「この商品、G20で出されたものですよね」と言われて初めて知った。世界のトップをもてなす場で日本の顔として振る舞われたことについて朱夏さんは「多くの思いが詰まった和紅茶。震災後に両親とともに全力で向き合ってきた苦労が報われた思いで、心からうれしい」と話していた。

 キタハは茶葉(20グラム税抜500円)、ティーバッグ(袋入り5パック同500円、缶入り8パック同1千円)のほか、菓子のクッキー、琥珀(こはく)糖を展開。市内ではあさひ園のほか、いしのまき元気いちばなどで取り扱っている。問合せはあさひ園(22―2887)まで。

最終更新:2019年7月2日(火) 16時16分

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