石巻日日新聞

「人口減少」⑤ 提言 地域活動に参画意識持って

次代への軌跡

石巻市 社会 石巻日日新聞 1月26日(土) 17時31分

 少子高齢化による人口減少は石巻市だけでなく、日本の社会全体が抱える問題。私たち市民の生活にも大きな影響を与えるが、自治体の施策には限界があり、個人の力でどうこうできる問題でもない。大事なのは前向きな発想。人口減少しても活力あるまちを目指すべきだろう。人が減るということは、一人一人の活躍の場が広がるということ。個人の仕事や学業に専念するばかりでなく、多くの人がまちづくりや身近な地域の活動に参画していくことを提言したい。

 市の人口減少は、昭和の終わりごろから平成の始めごろにかけて始まった。都市部への人口流出が理由で、平成12年からは出生数より死者数が上回る自然減が加わっている。現在も転出が転入を上回る転出超過であることは変わらないが、それらの差は縮小。一方で生まれる子どもはより少なく、亡くなる人はさらに多くなっている。

 人口減少は町内会などの自治会活動や地域経済に影響する。税収が減れば行政サービスも低下し、公共交通や医療福祉、学校教育にも支障が出る。

 市によれば、地方創生のポイントは若者と女性だという。ともに地域活動や市政への関わりが薄い層であるが、震災を契機としたUターン、Iターンの若者がシャッター街の街なかに新たな価値観や変化をもたらし、女性の起業や各分野での活躍が活力を生み出しつつある。「自分も何かできそうだ」という雰囲気づくりや受け入れの環境を整えることが、くすぶった人材を掘り起こし、人が人を呼ぶのではないだろうか。

 石巻市の人口は現在、14万人台。今後も減り続け、何ら対策を講じなければ約40年後にはその半分になるという。人口は住みたいまちと思うバロメーター。官民で課題を共有し、総力を挙げて魅力づくりをしなければならない。先のことに感じるかもしれないが、若い人にとっての老後、今後生まれる子や孫、ひ孫を思えば自分ごととして考えることができるだろう。

(熊谷利勝)

 次回は「財政不安」をテーマに2月12―16日に掲載します。

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最終更新:1月26日(土) 17時31分
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次代への軌跡 「少子高齢化による石巻市の人口減少」
平成17年の合併時に17万人いた石巻市の人口は減り続け、今や14万人ほど。東日本大震災の被害の大きい地域の減少が目立つ。しかし、そうでない地域でも町内会など自治会活動の実働を担う人が高齢化し、継続に支障が出てきている。
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企画連載「次代への軌跡」は、地域の今を未来への軌跡の起点としてとらえ、各分野における課題と思われる事象について、記者一人一人が向き合い、読者の皆様と一緒に考えていくきっかけにしていくコーナーです。
働く人が減るということは、稼いだお金を使う人が減ること。つまり、経済が縮小するということだ。商店の経営環境は厳しくなる。企業のもうけが減れば市の税収も減り、行政サービスが低下するおそれもある。補助金が投入される住民バスや路線バスをはじめ、公共交通は現状のままでの維持が困難になってくる。
施策の実績や進ちょくは毎年度に推進会議などが点検、評価。これはあくまで個別の施策の話であって総合戦略が100%達成できたとしても、人口減少が抑制できる保証はどこにもない。市の担当課は「どんな施策が将来につながるのか、とにかくやってみないと分からない」と話す。
そこで重要になるのが、観光客などの交流人口の拡大。そこに住まなくても他から行き来する人が増えれば街は活性化する。昨今注目されるのは、地域や地域の人々と多様に関わる「関係人口」。震災の支援をきっかけにした交流が広がった石巻市は、受け入れを増やす下地がある。
人口減少しても活力あるまちを目指すべきだろう。人が減るということは、一人一人の活躍の場が広がるということ。個人の仕事や学業に専念するばかりでなく、多くの人がまちづくりや身近な地域の活動に参画していくことを提言したい。

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