石巻日日新聞

「人口減少」④ 展望 自治体競争でなく「共創」へ

次代への軌跡

石巻市 社会 熊谷 利勝 1月25日(金) 18時33分

 石巻市の人口は約40年後には半減するとの推計があり、今のうちから手立てを講じて将来の10万人維持を目指すのが「まち・ひと・しごと創生総合戦略」。ただし、人口減少は市だけでなく、全国各地で起きている問題。各市町村が子育て支援や移住定住に取り組んでおり、人の奪い合いになりかねない。

 市のまち・ひと・しごと創生総合戦略は国が進める地方創生の地方版。人口減少社会にあっても活力あるまちを目指す戦略だ。策定時に盛り込まれた事業は約270。内実は従来からある事業や東日本大震災の復興計画で実施予定だったものが主で、施策の分野も子育て支援から医療福祉、産業経済対策などと幅広い。

 地方創生といってもやるべきことは同じ。国が支援する総合戦略の意味付けをすることで、施策効果を高めるキャンペーンのようなものだ。そのかいあってか、行政と市民の懇談会の場では人口減少や少子化対策が話題に上ることが増え、市議会も人口減少対策特別委員会を立ち上げるなど関心は高まっている。

 人口減少に歯止めをかけるには出生数を増やすか、家族を持つ可能性がある若者を市にとどまらせたり、よそから連れきたりする方策が要る。しかし、子どもを産むかどうかは個人や夫婦の領域の話であり、市がどうこうできるのはせめて子育てしやすい環境を整備することだ。「少子化対策は国策として行うべき」との声もある。

 若者の移住、定住を促すには最低限、住まいと仕事が必要。ただし、移住・定住策はどの市町村も考えられる限り行っており、独自性を打ち出すのはなかなか困難だ。自治体間で競争するのでなく、連携による〝共創〟で相乗効果を上げるのが望ましい。

 そこで重要になるのが、観光客などの交流人口の拡大。そこに住まなくても他から行き来する人が増えれば街は活性化する。昨今注目されるのは、地域や地域の人々と多様に関わる「関係人口」。震災の支援をきっかけにした交流が広がった石巻市は、受け入れを増やす下地がある。

(熊谷利勝)

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最終更新:1月26日(土) 9時32分
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次代への軌跡 「少子高齢化による石巻市の人口減少」
平成17年の合併時に17万人いた石巻市の人口は減り続け、今や14万人ほど。東日本大震災の被害の大きい地域の減少が目立つ。しかし、そうでない地域でも町内会など自治会活動の実働を担う人が高齢化し、継続に支障が出てきている。
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企画連載「次代への軌跡」は、地域の今を未来への軌跡の起点としてとらえ、各分野における課題と思われる事象について、記者一人一人が向き合い、読者の皆様と一緒に考えていくきっかけにしていくコーナーです。
働く人が減るということは、稼いだお金を使う人が減ること。つまり、経済が縮小するということだ。商店の経営環境は厳しくなる。企業のもうけが減れば市の税収も減り、行政サービスが低下するおそれもある。補助金が投入される住民バスや路線バスをはじめ、公共交通は現状のままでの維持が困難になってくる。
施策の実績や進ちょくは毎年度に推進会議などが点検、評価。これはあくまで個別の施策の話であって総合戦略が100%達成できたとしても、人口減少が抑制できる保証はどこにもない。市の担当課は「どんな施策が将来につながるのか、とにかくやってみないと分からない」と話す。
そこで重要になるのが、観光客などの交流人口の拡大。そこに住まなくても他から行き来する人が増えれば街は活性化する。昨今注目されるのは、地域や地域の人々と多様に関わる「関係人口」。震災の支援をきっかけにした交流が広がった石巻市は、受け入れを増やす下地がある。
人口減少しても活力あるまちを目指すべきだろう。人が減るということは、一人一人の活躍の場が広がるということ。個人の仕事や学業に専念するばかりでなく、多くの人がまちづくりや身近な地域の活動に参画していくことを提言したい。

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