石巻日日新聞

「人口減少」① 課題高齢化で自治会活動低迷

次代への軌跡

石巻市 社会 熊谷 利勝 1月22日(火) 21時06分
共助の取り組みが求められる街なか

 平成17年の合併時に17万人いた石巻市の人口は減り続け、今や14万人ほど。東日本大震災の被害の大きい地域の減少が目立つ。しかし、そうでない地域でも町内会など自治会活動の実働を担う人が高齢化し、継続に支障が出てきている。

 石巻市中心部の羽黒町町内会は、一―二丁目の183世帯が加入している。人口405人に対して75歳以上が32.8%の133人。この割合は市全体の2倍と高齢化している。

 そうした中でも夏祭りや敬老会といった行事を続け、自主防災会や老人クラブを立ち上げるなど共助の取り組みを進めている。

 住宅は高台に集中し、幸い震災の被害も軽微。長く住んでいる人が多い反面、復興公営住宅やマンションもなく、新しい住民が入ってきにくい。世帯数はさほど変わらないが、人口は減少。高齢者の一人暮らしも増えている。

 大変なのは公園の清掃や除草。比較的広い場所は、行政から要請があっても断っている。会長の稲葉庄一さん(80)は「人材をどう確保していくかが課題」という。

 稲葉さんは羽黒町を含め中央、立町周辺の14町内会の430世帯以上で構成する石巻地区町内会長連絡協議会の会長も任されている。羽黒町は活動が盛んな方で、14のうち5つの町内会は震災の影響もあって加入世帯数がゼロの休止状態。街なかに新しくできた復興公営住宅は計160世帯ほどあるが、町内会との関係は薄い。商店が多いエリアであり、震災後は自分たちの商売の課題もあって自治活動が思うようにできなかった。

 そこで協議会は単に町内会同士の連絡調整だけでなく、共同で行える事業を検討していく組織に方向転換。昨年、老人クラブを立ち上げて花見や花植えを行ったほか、復興住宅にも参加を呼び掛けて協議会として初めての敬老会も行った。

 街なかは高齢者ばかりでなく、UターンやIターンの若者が増えた。「協議会として、こうした人を巻き込んだ夏祭りがしたい」と稲葉さん。まちの活性化のため、年の離れた世代とどうコミュニケーションを取っていくかが悩みどころという。

(熊谷利勝)

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 「次代への軌跡」人口減少のシリーズは26日までの全5回。少子高齢化による石巻市の人口減少を見ていく。

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最終更新:1月24日(木) 17時23分
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次代への軌跡 「少子高齢化による石巻市の人口減少」
平成17年の合併時に17万人いた石巻市の人口は減り続け、今や14万人ほど。東日本大震災の被害の大きい地域の減少が目立つ。しかし、そうでない地域でも町内会など自治会活動の実働を担う人が高齢化し、継続に支障が出てきている。
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企画連載「次代への軌跡」は、地域の今を未来への軌跡の起点としてとらえ、各分野における課題と思われる事象について、記者一人一人が向き合い、読者の皆様と一緒に考えていくきっかけにしていくコーナーです。
働く人が減るということは、稼いだお金を使う人が減ること。つまり、経済が縮小するということだ。商店の経営環境は厳しくなる。企業のもうけが減れば市の税収も減り、行政サービスが低下するおそれもある。補助金が投入される住民バスや路線バスをはじめ、公共交通は現状のままでの維持が困難になってくる。
施策の実績や進ちょくは毎年度に推進会議などが点検、評価。これはあくまで個別の施策の話であって総合戦略が100%達成できたとしても、人口減少が抑制できる保証はどこにもない。市の担当課は「どんな施策が将来につながるのか、とにかくやってみないと分からない」と話す。
そこで重要になるのが、観光客などの交流人口の拡大。そこに住まなくても他から行き来する人が増えれば街は活性化する。昨今注目されるのは、地域や地域の人々と多様に関わる「関係人口」。震災の支援をきっかけにした交流が広がった石巻市は、受け入れを増やす下地がある。
人口減少しても活力あるまちを目指すべきだろう。人が減るということは、一人一人の活躍の場が広がるということ。個人の仕事や学業に専念するばかりでなく、多くの人がまちづくりや身近な地域の活動に参画していくことを提言したい。

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