石巻日日新聞

市役所にイオン系スーパー 来春開業で合意書調印

駅前からにぎわい再生へ

石巻市 政治・経済 近江 瞬 2019年12月4日(水) 9時01分
辻支社長(左)と亀山市長が合意書を交わした

 石巻市役所1階商業区画への出店で、石巻市とイオンリテール(株)=本社・千葉市=は2日、出店合意書に調印した。来春ごろ食品や生活雑貨を扱うスーパーマーケット、その後は順次、地元テナントのオープンも予定している。開業すれば約3年ぶりの駅前スーパーの復活となり、市中心部の日常的な買い物の利便性向上とにぎわい再生に期待がかかる。

 同社が出店するのは市役所1階(3500平方メートル)のうち、共用部と観光案内部を除いたテナントと売り場に、倉庫などを加えた区画。契約期間は10年間だが、市はできる限り長く継続してもらいたい考え。

 スーパーの具体な売り場面積は示されていないが、前事業者の「エスタ」と同程度の見込み。計画では薬局併設型で、80―100席を想定した直営のイートインコーナーも置く。営業時間は交通量や公共施設の利用者数などを調査した上で決める。亀山紘市長は駐車場確保で民間活用に向けた補助制度の導入を示唆した。

 今後は市と賃貸借契約を結び、改修工事に入る。パート採用は地元を見込んでいる。直営スーパー以外のテナントは、昨年8月まで入店していた全店舗に声掛けしている。

 調印式は市役所であり、亀山市長は「長く待たせてしまったが、来春には石巻の玄関口にふさわしい便利で魅力的な店舗がオープンする」と強調。同社専務執行役員で東北カンパニー支社の辻雅信支社長は「市の復興計画に沿って“中心部に住める・暮らせる・楽しめる”をコンセプトとし、地域発展と暮らし向上に努める」と語った。

 合意理由で同社は基本理念である地域社会への貢献を挙げた。独立店舗ではない駅前出店は全国でも珍しい形態だが、福島県の被災地で実績のあるローコストオペレーションを徹底することで、十分に経営できると判断したという。

 市役所1階商業区画は、29年5月に震災後の人口減による売り上げの落ち込みなどからエスタが撤退。市は後継事業者の公募、誘致交渉を進めていた。

最終更新:2019年12月4日(水) 9時01分

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