石巻日日新聞

こいのぼり1600匹 東松島市の青い空泳ぐ

慰霊と復興に願い込め

東松島市 社会 石巻日日新聞 2019年5月6日(月) 16時51分
青い鯉のぼりの下に多くの人が集った

 東日本大震災で犠牲となった子どもたちへの慰霊と地域復興への願いを込めた「青い鯉のぼりの下に腰を下ろす会」が5日、東松島市の東矢本中央公園で開かれた。全国から寄せられた青いこいのぼりが風に乗って空を悠々と泳いだ。

 大曲浜地区で弟の律君(当時5歳)ら家族4人を亡くした市職員伊藤健人さん(26)が追悼を込め、律君が大好きだった青いこいのぼりを揚げたのが始まり。ここ数年は大曲浜の慰霊碑そばで行ってきたが、今年からは多くの住民が移り住んだ防災集団移転地のあおい地区に近い同公園に掲揚した。

 こいのぼりは4月20日から500匹を揚げていたが、5日は多くのボランティアや住民が参加し、300匹を追加。東松島の青い空に青いこいのぼりが悠々と泳ぎ、来場者は腰を下ろしながら空を見上げ、思い思いに時を過ごしていた。

 イベントでは市内外の団体による和太鼓の演奏、地元の大曲浜獅子舞の演舞があり、太鼓の音や軽やかな獅子ばやしが響いた。会場では出店も軒を連ねたほか、特産のノリを使ったのりうどんの振る舞いもあった。

 同会共同代表の伊藤さんは「8年の時が過ぎても青い鯉のぼりを見れば震災の記憶がよみがえってくる。しかし悲しみだけでなく、人のつながりも感じて前に進む力になっていると確信できる」と話していた。

 青い鯉のぼりは会場に800匹、あおい地区の各戸などに約600匹、大曲浜地区に200匹が掲げられ、計1600匹が東松島の青空を泳いだ。

最終更新:2019年5月6日(月) 16時51分

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