石巻日日新聞

スロージギング【番外編】 巨大ヒラメを魚拓に

つりパラダイス

石巻市 つりパラダイス 石巻日日新聞 2019年9月5日(木) 9時17分
迫力ある魚拓が完成した

 スロージギングの連載も今回が最終回。当初は「準備編」「実釣編①」「実釣編②」と3回続きを予定していたが、1メートル5センチ、重さ10.8キロの超大型ヒラメが釣れたことで話が膨らんだため、「番外編」としてヒラメの魚拓を取るところを紹介していく。

 午後1時を過ぎ、沖上がりの時間となってしまった。名残惜しいが、ジグを回収し、船頭は桃浦漁港に船首を向けた。漁港には最後のポイントから約30分で到着。岸に上がると早朝からの疲れが出てきたが、船のデッキに積んでいた釣り具を下ろした。

 作業の途中で、船頭が「そのヒラメは写真もいいけど、魚拓にして残したほうがいいかもね」と口にした。しかし、ヒラメを釣り上げた早坂悠真さん=石巻市のぞみ野=も私も魚拓を取った経験はまったくない。「素人でも取れるものなのか」と聞くと、船頭はどこかに電話を掛けた。

 数分後、船頭は「ヒロミツさんのところで取ってくれるって。障子紙はこっちで用意して」と電話の内容を私たちに伝えた。私は「ヒロミツさん?」と首をかしげたが、早坂さんは場所を知っている様子。船頭さんに礼を言い、帰り道の途中の量販店で障子紙を買ってから「ヒロミツさんのとこ」に向かった。

 そこは石巻市蛇田新西前沼の釣具店「(有)ヒロミツ」。船頭から事情を聞いており、障子紙を渡して店主と一緒に魚拓作りに臨んだ。真水で魚のぬめりや汚れを落とした後、少し乾燥させてから薄めた墨汁を塗っていく。これだけ聞けば簡単そうだが、墨の量や障子紙を押し付ける力加減が難しい。魚拓は6枚取ったが、きれいに写せたのは1枚だけだった。

 それでも規格外の魚の大きさと私たちで取ったという満足感が合わさり、6枚とも素敵な作品になった。思えば小さい頃、憧れた釣具店に飾られていた魚拓の数々。「いつの日かあのような魚を釣りたい」。それが現実となる日がついに来たが、今回釣り上げたのは早坂さん。次こそは私がと闘志がみなぎってきた。(千葉拓人)

私が釣った魚ではないが魚拓に挑戦
私が釣った魚ではないが魚拓に挑戦

最終更新:2019年9月5日(木) 9時17分

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