石巻日日新聞

石巻地方で成人式 1900人 震災経て門出

次代を担う二十歳の誓い

広域 教育・文化 石巻日日新聞 1月14日(月) 14時20分
震災の記憶と地域への思いを語った誓いの言葉(石巻地区)

 きょう14日は「成人の日」。それに先立つ13日、石巻地方の各地で成人式が行われた。今年の新成人は平成10年4月2日―同11年4月1日生まれ。東日本大震災発生当時は小学校6年生だった世代で、石巻地方の対象者は石巻市1357人(男704人、女653人)、東松島市484人(男266人、女218人)、女川町126人(男56人、女70人)が対象となった。二十歳という人生の節目を迎えた紳士淑女たちは久しぶりに再会した友人と近況を報告し合い、将来への決意を胸に刻んだ。

石巻市 大人として地域貢献

 石巻市は旧市町単位の成人式となっており、13日は5日に行った桃生地区を除く6地区で行われた。このうち石巻地区の成人式は1003人を対象に石巻専修大学で開かれ、799人が参加した。

 オープニングは、石巻シンフォニックウインドアンサンブルの祝賀演奏が花を添えた。亀山紘市長は式辞で「石巻は未だ復興の途上にあり、皆さんの若く柔軟な考えを必要としている。石巻で培われた豊かな感性と勇気を持って、自分の夢にまい進して一歩を踏み出してほしい」と激励した。

 誓いの言葉では新成人代表の小松茉弥さんが「小学校の卒業式を目前にしてあの震災を経験し、私たちは多くの教訓を学んだ。それを次の世代に伝えてくことが使命。支えてくれた地域や家族や先生方、先輩方や友人たちに深く感謝し、これからは一人の大人として地域に貢献していきたい」と決意を述べた。

 式典後のアトラクションでは中学校時代の懐かしい映像などが公開され、思い出話に花を咲かせた。

東松島市 活気あるまちへまい進

新成人を代表して壇上で決意を述べる(左から)日野さんと川田さん(東松島市)
新成人を代表して壇上で決意を述べる(左から)日野さんと川田さん(東松島市)

 東松島市の成人式は13日、同市コミュニティセンターで開かれた。今年のテーマは「HERO~自分らしく輝く未来へ~」。今年は新元号となる時代の節目。一人一人が新たな時代を開き、前に進んでいくという思いを込めた。

 式辞で渥美巖市長は「震災は辛く苦しかったと思うが、その経験を糧に自分の人生を切り開き、力強く歩んでほしい。自分の将来像を持ち、揺るぎない信念と決意で頑張ってほしい」と期待した。

 新成人の代表が二十歳の決意を表す場面では、川田湧眞さんと日野ちはるさんが「感謝の気持ちを忘れず、地域の担い手として信じる道を歩みたい。ともに成長してきた仲間たちと活気あふれるまちを目指してまい進したい」と力強く語った。

女川町 古里と仲間忘れず未来へ

町民憲章を唱和する新成人たち(女川町)
町民憲章を唱和する新成人たち(女川町)

 女川町の成人式は13日、生涯学習センターで開かれた。町内21の浜に震災の記憶を未来に伝える「いのちの石碑」の建立に取り組む、女川中の卒業生約60人が出席。決意新たに一歩を踏み出した。

 「多感な時期に苦労をかけ、本当に申し訳なかった」。震災を振り返り、祝辞で深謝した須田善明町長は「辛さ痛みを背負い、皆で行動してきた。その力は誇り。これから人生の幸をつかみ、何事も真剣に全力で取り組んでほしい」と語った。

 新成人代表の千葉嵩斗さん、鈴木美亜さんが「どこにいてもふるさと女川、大震災でも欠けることのなかった仲間を忘れず、一歩ずつ自分の足で未来に向かって進み、社会の発展に貢献していく」と誓いを立てていた。

タグ:成人式
最終更新:1月15日(火) 17時49分
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次代への軌跡 「少子高齢化による石巻市の人口減少」
平成17年の合併時に17万人いた石巻市の人口は減り続け、今や14万人ほど。東日本大震災の被害の大きい地域の減少が目立つ。しかし、そうでない地域でも町内会など自治会活動の実働を担う人が高齢化し、継続に支障が出てきている。
※執筆担当記者へご意見、ご感想をお寄せください。
企画連載「次代への軌跡」は、地域の今を未来への軌跡の起点としてとらえ、各分野における課題と思われる事象について、記者一人一人が向き合い、読者の皆様と一緒に考えていくきっかけにしていくコーナーです。
働く人が減るということは、稼いだお金を使う人が減ること。つまり、経済が縮小するということだ。商店の経営環境は厳しくなる。企業のもうけが減れば市の税収も減り、行政サービスが低下するおそれもある。補助金が投入される住民バスや路線バスをはじめ、公共交通は現状のままでの維持が困難になってくる。
施策の実績や進ちょくは毎年度に推進会議などが点検、評価。これはあくまで個別の施策の話であって総合戦略が100%達成できたとしても、人口減少が抑制できる保証はどこにもない。市の担当課は「どんな施策が将来につながるのか、とにかくやってみないと分からない」と話す。
そこで重要になるのが、観光客などの交流人口の拡大。そこに住まなくても他から行き来する人が増えれば街は活性化する。昨今注目されるのは、地域や地域の人々と多様に関わる「関係人口」。震災の支援をきっかけにした交流が広がった石巻市は、受け入れを増やす下地がある。
人口減少しても活力あるまちを目指すべきだろう。人が減るということは、一人一人の活躍の場が広がるということ。個人の仕事や学業に専念するばかりでなく、多くの人がまちづくりや身近な地域の活動に参画していくことを提言したい。

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