石巻日日新聞

第96回 石巻川開き祭り 「令和」最初 心に残る2日間に

石巻市 社会 石巻日日新聞 2019年7月30日(火) 20時51分
第96回 石巻川開き祭りスケジュール

 石巻市最大の祭り「第96回石巻川開き祭り」(石巻川開祭実行委員会主催)が31日と8月1日、市内中心部で行われる。元号が「令和」になって初めての祭りは、目抜き通りでのパレード、旧北上川を舞台にした孫兵衛船競漕、川面を照らす打ち上げ花火といった呼び物が引き継がれ、さらに今年は8年ぶりにディズニーの仲間たちがやってくる。東日本大震災からの復興が進む街なかに多くの人が来場することが予想され、石巻の夏がひときわ熱く盛り上がる。

◆縄引きに高校生参加

 川開きは江戸時代に北上川を改修し、石巻発展の礎を築いた川村孫兵衛重吉翁への感謝の祭り。第1回の大正5年以降、何度かの中止があったが、震災後は開催することで犠牲者を弔い市民を元気付けてきた。

 陸上行事の舞台は、歩行者天国になる中央から立町にかけた大通り。初日は孫兵衛ゆかりの縄張神社奉納大縄引き大会で幕開けする。改元を節目として、一般と子どもの各部の綱引き競技に高校生の部が加わり、総勢28チームが力を試す。

 午後には3カ所の定点で、10団体がダンスを披露する恒例のアクアカーニバルが開演。夕方にかけては東京ディズニーリゾート・スペシャルパレードが行われる。広小路では、昨年に続きスケートボードパフォーマンスがある。

 また、2日間を通して石巻商工会議所前にお祭り広場を開設。商議所青年部、女性会などの出店が並ぶほか、ステージイベントがある。

 ただの祭り騒ぎにせず、初日は孫兵衛翁報恩祭や古くからの川施餓鬼(かわせがき)などの祭典行事も営まれる。日没後の旧北上川には震災犠牲者を追悼する約4千個の流灯が浮かべられ、約1千発の供養花火が打ち上げられる。

◆観光大使も登場

 2日目の陸上行事はパレードが中心となり、消防音楽隊を皮切りに石巻中学校吹奏楽部、15校約1400人の小学校鼓笛隊が続く。また、縄張神社みこしやものうはねこ踊りが活気を届け、14団体700人の大漁踊りで締めくくる。陸上行事では、いしのまき観光大使の姿も見つけられるはずだ。

 一方、旧北上川では前日の予選に続いて孫兵衛船競漕があり、優勝旗を手にするチームが決まる。航空自衛隊松島基地のブルーインパルスは当初の予定と異なり、花火大会前の上空で展示飛行を繰り広げる。ただし当日の天候次第では中止や時間が早まる場合がある。

◆迫力増す豪華花火大会

 1日の花火大会は中瀬から6千発が打ち上げられ、旧北上川の両岸に観覧場所が設けられる。令和元年特別企画の豪華けんらんオープニングスターマインから始まり、終盤には名人花火師による復興祈願花火、音楽と一体になったフィナーレスターマインが心を打つ。昨年よりも大きい3号玉が中心となり、見ごたえが増すだろう。

 東中里の県石巻合同庁舎跡など6カ所に計1350台分の無料駐車場を用意。花火大会に合わせた臨時列車も運行される。

 昨年は猛暑の中、2日間で18万8千人が来場した。石巻市や石巻商工会議所などでつくる実行委は時代の節目にまちを挙げて盛り上げ、多くの人の心に残る祭りとする心意気だ。

最終更新:2019年7月31日(水) 12時23分

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