石巻日日新聞

全国の舞台へ いざ出陣 石巻専修大女子競走部 杜の都駅伝28日号砲

地域に元気と活気を タスキに思い込めて

石巻市 スポーツ 石巻日日新聞 2018年10月26日(金) 19時41分
本戦に向け、練習に追い込みをかける選手たち

 28日に仙台市で行われる第36回全日本大学女子駅伝対校選手権大会(通称、杜の都駅伝)に、石巻専修大学女子競走部が2年ぶりに出場する。全国から26チームが出場し、大学女子駅伝の日本一を決める大会。石巻専修大は3回目の出場だが、平成27年の創部メンバーである4年生にとっては、集大成の舞台になる。応援してくれる地域への思いを込めてたすきをつなぐ。

 女子競走部は「競技に励む学生の姿を通して地域に元気と活気を与えよう」との目的で発足。かつて日本ケミコン(株)女子陸上競技部を率いた名伯楽、泉田利治監督を指導者として迎え、現在の4年生である1期生7人で歩み始めた。

 初年度の杜の都駅伝東北予選では他の強豪を押し退け、2位通過で本戦出場を勝ち取る快挙を成し遂げた。この年の本戦は26チーム中22位だったが、1年生だけのチームとしては立派な成績だ。翌年も東北予選を難なく突破し、2年連続2回目の本戦出場。初年度よりも順位を1つ上げ21位でゴールした。

 だが東北ブロックの出場枠が1つ減った29年度の予選では、強豪の東北福祉大を倒すことができず、初めて本戦への出場を逃した。選手たちは悔しさをかみしめながら1年後のリベンジに燃えた。

 そして迎えた今年の東北予選。出場枠も2枠に戻り、好機が広がる中、選手たちは躍動。ライバルの東北福祉大には及ばなかったが、本戦出場の切符はしっかりと手中に収めた。

 泉田監督は「私にとっても1期生への思い入れは強い。本戦で記録を残すこととは別に4年間の集大成、また今後の部の基盤となる走りを示すよう奮起し、石巻にも元気をもたらすレースをしてほしい」と期待を込める。

 杜の都駅伝は午後0時10分に発走。弘進ゴムアスリートパーク仙台(仙台市陸上競技場)から仙台市役所前市民広場までの6区間38キロのコースで行われる。当日は日本テレビ系28局による全国生中継が予定されている。

頑張る選手を企業が後押し ヤマサコウショウ 横断幕を設置 湊地区住民もエール

国道沿いの本社フェンスに横断幕を掲げたヤマサコウショウ
国道沿いの本社フェンスに横断幕を掲げたヤマサコウショウ

 「走りを通して地域に元気と活気を届けよう」―。この思いを胸に、石巻専修大女子競走部は4年間、数々のレースを戦い続けてきた。石巻市の湊地区には選手たちの寮があり、寮関係者はもちろん、地区の住民や企業も頑張る彼女たちを見守り、活躍を喜んでいる。

 吉野町に本社を置く水産加工品製造販売会社の(株)ヤマサコウショウ(佐々木孝寿社長)もその一つだ。同社は選手たちの健闘を祈り、22日に国道398号沿いの本社フェンスに「㊗杜の都女子駅伝出場 頑張れ‼石巻専修大学女子競走部」と書かれた横断幕を設置した。

 佐々木社長は「励むものは違えども、『石巻のために頑張る』という思いは一緒であり、選手の頑張りはずっとそばで見てきた。地域も背中を押しているよという思いを横断幕に込めた」と語っていた。

 選手の努力する姿は震災で被災した住民にも勇気を与えている。湊御所入の佐藤昭さん(82)は毎朝、国道沿いの歩道を黙々と走る選手たちの姿を見ている。佐藤さんは「津波で大きな被害を受けた地域だが、若者が頑張る姿を見るだけで私たち高齢者は元気をもらえる。本戦も力を尽くしてほしい」とエールを送っていた。

応援を励みに チームの主将

牧野あや選手(4年)
牧野あや選手(4年)

 朝練で地域を走ると多くの声援を受ける。自分たちの走りが石巻の人々の元気につながっていることが感じられて、一層励みになっている。

良い結果報告を 唯一の地元出身

千葉悠里奈選手(4年)
千葉悠里奈選手(4年)

 蛇田中学校出身の競走部1期生として地域から応援の声をもらいここまで頑張れた。学生最後の大舞台。良い結果が報告できるよう本戦に臨む。

最終更新:2018年10月26日(金) 19時47分
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