復興公営住宅の空室 ③ 既存市営と同様に公募開始
次代への軌跡
石巻市 次代への軌跡 熊谷 利勝 2019年7月19日(金) 8時37分災害公営住宅の空きの発生は石巻市に限らず、各市町は被災者以外の入居者の一般募集を始めている。国は各市町内の災害公営がすべて完了し、他に入居を希望する被災者がいないと判断される場合に、空き室の一般入居が可能としている。
災害公営住宅の空き室への入居要件は、既存の市営住宅と同じ住宅に困窮する低額所得者など。石巻市は3月から定期(3カ月ごと)に行う市営住宅の入居募集に合わせ、災害(復興)公営の空き室の入居募集を開始した。
3月は30戸に対して7.27倍の218件の申し込みがあり、蛇田地区で20倍を超える住戸も。6月は57戸に4.26倍の243件の申し込みがあった。総じて生活利便性の良い市街地で倍率が高くなっている反面、半島沿岸部や入居期間が決まっている借上げ型は募集してもなかなか埋まらない。
既存市営住宅は6月に3戸の入居を募集して3件の応募。比較的新しい復興公営住宅に申込みが偏っているだけで、全体の平均倍率は以前と大差がなく、市営住宅自体の希望者が増しているともいえない。
公営住宅法による耐用年数は木造で30年、耐火構造で70年。全体で1321戸の既存市営住宅は、耐用年数が経過した古い住宅が4割、半分を過ぎたのも4割ある。維持管理費も年々大きくなっているため、入居者の復興公営住宅への転居を促し、老朽化した住宅を順次、廃止していくことにしている。
ただし、住宅運用の収支自体は、震災復興の国の財政支援で赤字にならず、余剰金を平成27年度に設置した市営住宅管理運営基金に積み立てている。これらは既存市営、復興公営を合わせた今後の維持管理や修繕、改修の蓄えであり、残高は100億円ほどある。
それでも「今後の改修にどの程度かかるかまだ読めない。基金は同時期に訪れる住宅の更新や解体費用に取っておきたい」と市住宅課。将来の備えとして管理戸数を減らすとともに、空き室を解消して収入を得る必要がある。(熊谷利勝)
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