石巻日日新聞

どうなる?川開きの七夕飾り 継続へは今夏が岐路

初日は縮小か休止 本祭白紙

石巻市 社会 石巻日日新聞 2019年6月3日(月) 17時25分

 第96回石巻川開き祭り(7月31日―8月1日)の開催まで2カ月を切った。市中心部を彩る「七夕飾り」は震災後に途絶え、平成27年から復活したが、今年は継続が危ぶまれており、今後も続けていくには新たな体制づくりが欠かせない。今年はディズニーパレードへの安全配慮から初日は従来通りでの実施ができず、縮小、または休止となる。本祭で実施するかどうかは今のところ白紙の状態だ。

 川開きの七夕飾りは震災前まで、アイトピア商店街の店主らが自主的に人手と資金を手配して制作してきたが、震災後の4年間は休止。27年にまちづくり団体の一般社団法人イシノマキ2・0が旗振り役となり、地域外からの支援や地域の協力で再開した。

 その後、継続してきたものの商店主の高齢化に加え、予算と人手不足などの課題は解決されていない。さらに昨年5月にアイトピア商店街振興組合が解散。これに中心的役割を担ってきた人が不在となったことも重なり、いよいよ七夕飾りが「必要か、不要か」を含めた議論が出てきている。

 そのような中、今年は初日に23年以来8年ぶりとなる「東京ディズニーリゾート・スペシャルパレード」の実施が決まった。前回実施時は七夕飾りの休止期間で支障はなかったが、今年はパレードへの安全配慮で縮小、または休止を判断した。

 本祭は竹に飾りをつるしての従来通りの実施が可能だが、1日のみのために人手や予算をねん出して行うかどうかは今も協議中。2・0が先月、商店主らに行ったアンケートでは実施の有無に対して双方の意見が寄せられたという。

 2日には七夕飾りの継続に関する議論や代替案の募集も含めた場を設けた。市民約50人が意見を交わしたが、そこでも具体的な方策は見えてこなかった。

 これまでの体制での継続はすでに限界に来ている。地域が継続を求めるのであれば予算や人手をはじめとした相応の体制が必要となり、2・0では「震災後は再開することが重要だった。ここにきて本当に残したいのか、七夕飾りに代わるものがあるのか、その価値について地域で考える機会にしたい」と話している。

【関連写真】

飾りの点検を行うイシノマキ2.0スタッフ -(2017年7月29日)

アイトピア通りで七夕飾りを見上げる親子 -(2017年7月31日)

七夕飾りの下を進む小学校鼓笛隊(1日午前11時半ごろ、アイトピア通り) -(2017年8月1日(火) )

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最終更新:2019年6月3日(月) 20時31分
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