石巻日日新聞

川に灯ろう 空に花火 震災9度目の供養祭 光に重ねる故人への思い

石巻川開き祭り

石巻市 社会 石巻日日新聞 2019年8月1日(木) 20時37分
震災犠牲者の冥福を願う供養花火(午後8時ごろ)

 東日本大震災から9度目の供養祭は7月31日、石巻市中央二丁目のかわまち交通広場であり、石巻仏教会の僧侶らが震災犠牲者に読経を捧げた。北上川を開削した川村孫兵衛の報恩供養祭や海、川で亡くなった人たちの供養祭も行われ、遺族らが焼香し、手を合わせて御霊を慰めた。

 時を同じく旧北上川河口には、震災で亡くなった人々へのメッセージが書き込まれた色鮮やかな灯ろう約4千個が浮かんだ。灯ろうは不動町側から数隻の船を使って流され、優しい光を灯しながら大勢の人でにぎわう内海橋周辺に向かってゆらゆらと流れた。

 川沿いでは多くの人が手を合わせ、灯ろうに故人を重ねた。震災の津波で妻を亡くした同市住吉町の男性(75)は「震災前は妻と一緒にこの景色を眺めていたのを思い出した。安らかに眠ってほしいとそれだけを祈った」と話していた。

 その後、夜空には約1千発の供養花火が打ち上げられ、見物客は亡くなった人たちの冥福を祈った。

最終更新:2019年8月3日(土) 11時08分

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