天皇陛下退位で「平成」に幕 復興願い心に寄り添う
震災後は2市1町訪問 お言葉励みに前へ
石巻市 社会 石巻日日新聞 2019年4月30日(火) 14時23分30年余り続いた平成の時代は30日で幕を下ろす。天皇陛下の生前退位はおよそ200年ぶり。改元で5月1日には令和となり、皇太子殿下が新天皇に即位される。天皇、皇后両陛下は東日本大震災後の被災地に心を寄せられ、行幸啓では被災者を励ました。天皇陛下は在位30年を「旅」に例えて振り返っており、その旅も間もなく終えようとしている。
両陛下は、平成4年10月に山形県で開催された第47回国体秋季大会の開会式に出席した後、松島町、旧鳴瀬町を経由して石巻市を視察し、石巻文化センターで千石船の原寸模型、中瀬では復元船「サン・ファン・バウティスタ号」の建造の様子も見学された。
東日本大震災には心を痛め、発災1カ月半後の23年4月27日に東松島市を訪問。4年後の27年3月15日には、復興状況御視察として石巻市などを訪問し、復興した(株)白謙蒲鉾店門脇工場を見学された。両陛下は「ご苦労が多かったようで」と従業員の安否を気遣われた。
28年3月17日には震災後初めて女川町を訪問。商業施設「シーパルピア女川」では、営業を再開した商店主や沿道に集まった被災者に「ご苦労されましたね」と声をかけられた。
行幸啓以外でも皇后陛下は、歌会で石巻地方を題材に御歌を詠まれており、東松島市と女川町には歌碑が建立された。国民とのふれあいを大切にされた両陛下の退位に対し、石巻地方からは労いの言葉が寄せられている。
このうち、両陛下が来店したシーパルピア女川の生花店の鈴木千秋店主(60)は「テナント入居から間もなく、今後への不安も大きかった時期に心遣いをいただいたことで頑張れた。国民の幸せのためにこれまで尽くされた分、陛下ご自身のご多幸とご健勝をお祈りしている」と話していた。
タグ:令和
最終更新:2019年5月3日(金) 12時53分
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