3月2日からニューゼで渡す会 渡波小元児童の思い出写真
23年から支援続けた土谷さん 震災後の写真を手元に
石巻市 社会 石巻日日新聞 2019年2月27日(水) 11時37分東日本大震災後、仮設校舎で授業をしていた渡波小学校の児童たちを励まそうと、写真家・土谷英二さん(74)=石川県金沢市=が3年間にわたりフォトセラピーを行った。子どもたちの目に映った被災した地域の姿、そんな中でも得た日々の感動などが写しこまれた作品を石巻市や東京、名古屋で展示し、話題を集めた。あれから8年が経ち、土谷さんは3月2―11日に石巻ニューゼで「3・11思い出写真」と題して当時の児童たちに渡す。
フォトセラピーは身近な人や風景、お気に入りのモノなどを撮影することで心を癒やす活動。
「震災後、被災地の状況を伝えるニュースのインタビューで話しているのはいつも大人だった。そのそばで悲しげな表情でうつむく子どもたちの姿を見て、かなりストレスを抱えているように感じた」と土谷さん。写真を撮ることでストレスを取り除いてもらおうと考え、平成23年6月、稲井中学校敷地内の仮設校舎で学んでいた渡波小の子どもたちを対象に始めた。
カメラの使い方から撮影のコツまでアドバイスした上で、夏休みには使い捨てのフィルム付きカメラを希望する1―6年生に渡して「最高の笑顔」などのテーマで撮影してもらった。参加したのは3年間で延べ約450人。それらを紹介する展示会も25年度まで3年連続で開催。被災地外では早い時期から震災の風化が言われ始めていたが、子どもたちの心の動きがそのまま出た純粋な写真は、石巻のリアルな姿を伝え、各地で反響を呼んだ。
初年度から8年が過ぎた今、当時の児童たちは中学、高校、大学、社会人と成長。住まいも仮設住宅から新しい家へ、または石巻市を離れて他所へ移住した人もいることから“あの時”の思いを心にとどめて未来へと進んでもらおうと、撮影者へ渡すことにした。
石巻ニューゼは、25年2月に展示会を開いた縁から今回、「3・11思い出写真」を渡す会場とした。土谷さんも金沢市から駆け付け、初日の2日に来館者を迎える。「成長した皆さんと再会できることを楽しみにしている」と期待している。
期間中の開館は午前10時―午後5時。いつもは月曜休館だが11日は通常開館となる。問合せは同館(98―2821)まで。
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