石巻日日新聞

日本製紙石巻 3年ぶり日本選手権への切符JABA大会で初優勝

石巻市 スポーツ 石巻日日新聞 2017年5月17日(水)

 「第59回JABA北海道大会兼第48回JABA東北大会」は16日、仙台市民球場で決勝戦があり、日本製紙石巻硬式野球部がJR東日本東北を1―0で下し、3年ぶり2度目となる「社会人野球日本選手権大会」(10月30日、京セラドーム大阪)への出場を決めた。

 東北大会には16チームが出場。日本製紙は予選リンクを3連勝で飾り、首位通過を果たした。16日の準決勝では、予選4位のJR北海道に4―2で逆転勝ちし、3年連続の決勝進出を決めた。

 同日の決勝では、先発の宝利亮がJR東日本東北打線を相手に打たせて取る投球で完投完封。打線は六回に満塁から7番家古谷翔太の犠飛で1点を奪い、試合を決めた。

■つかんだ念願のJABA優勝 次は都市対抗 社会人野球2大大会出場へ意欲
 宮城県勢同士の決勝となったJABA東北・北海道大会。今春就任したばかりの前田直樹新監督(38)による新体制で挑んだ日本製紙石巻は、2年連続決勝敗退の雪辱を果たし、終わってみれば予選から負けなしの5連勝で悲願の初優勝をつかんだ。

■宝利投手が完投完封
 「あがっていた」という先発宝利は初回、2つの四球と失策で一死満塁のピンチを招いたが、低めの変化球で併殺とし、無失点で切り抜けた。「良い意味で力を抜けた」という二回以降は、打たせて取る投球を徹底し、危なげなく試合を運んだ。

 打線は、初回から得点圏に走者を進めながらも、あと1本が出ず五回を終えた。それでも六回、先頭の3番浅沼が左前打で出塁。犠打と2者連続四球で一死満塁とすると、7番家古谷の左翼への犠飛で先制した。これが決勝点となった。

 宝利は三振ゼロながらも、落ち着いた投球で最後のバッターも左飛に仕留め、両手を高々と掲げてマウンド上で飛び上がった。その瞬間、ベンチから一斉に選手たちが飛び出して歓喜の渦を作り、スタンドからは祝福のカラーテープが投げ込まれた。

■チームに精神的な強さ
 閉会式では、JABA東北旗、北海道旗などが贈られ、最高殊勲選手賞に宝利投手、首位打者賞には大会通算20打席16打数8安打と打率5割だった家古谷翔太選手が輝いた。

 閉式後には選手たちが監督らを胴上げ。ウイニングボールを受け取った前田監督は「宝利は初回のピンチをしのぎ、吹っ切れた。0点で抑えたのは大きく、チームに精神的な強さが徐々に備わってきた」と語っていた。

 チームは祝勝会を行わず、今週末から始まる都市対抗の予選に向け気持ちを切り替える。昨年のドラフト候補に挙がりながらも、悔しい思いを噛みしめ臨んだ3年目の宝利は、「まさか完封できるとは。昨秋に悔しい思いはしたが、チームを勝利に導けなければ、上(プロ)はない」と意気込んでいた。

【写真】優勝を決め、今年就任した前田直樹監督を胴上げした

タグ:日本製紙
最終更新:2017年6月8日(木) 10時36分

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