石巻観光の楽しみは景色と海産物 フードツーリズム研究会
石巻日日新聞 2017年2月7日(火) 食を中心に石巻の資源を生かした観光開発を進める石巻フードツーリズム研究会(会長・須能邦雄石巻魚市場社長)は、関東圏在住者を対象としたフードツーリズムに関するウェブ調査の結果をこのほどまとめた。石巻への観光に対して求めることや、地域イメージなどがうかがえる回答で、同会ではこの結果を次の商品開発に生かしていく。
アンケートは同研究会が調査会社を通じ、昨年10月に実施。選択形式の調査で、大別して旅行全般、石巻市への観光、地域観光全般に関して質問した。40代以上を中心に322人(男162人、女160人)が回答した。
旅行全般に関して「旅行先を選択するときに重視するのは」の問いで「とても重視」「ある程度重視」が最も多かったのが食。その一方で、旅行においての食は「第一目的ではないが主要な目的」「行った先の土地のものは積極的に食べたい」という人が多い。旅行先を選ぶ決め手としてほかに挙げられたリラックス、観光スポット、宿泊施設、自然景観などとともに楽しむものという感覚が強いようだ。
石巻への旅行については、回答者の35%が震災前後いずれかで訪れたことがあった。今後観光で訪問したいと「思う」「少し思う」のは約半数で、「思わない」「あまり思わない」が2割。残る3割は「どちらともいえない」との答えだった。
また石巻での観光に期待するのは多かった順に(1)景勝地(2)海産物(3)郷土料理(4)金華山(5)石巻魚市場―。石巻で水揚げされた新鮮な魚を食べたいと「思う」「少し思う」の割合は76%いるが、一方で「石巻で食べたい魚」についてはサンマやヒラメが上位となり、地域ブランド化が進められているサバなどは特別に多く選択されてはいない。「石巻ならでは」の魚介のイメージが関東圏にまで浸透していないことがうかがえる。
同研究会では、旅行先を選ぶときに重視する基準を「体験重視型」「くつろぎ重視型」「景勝地訪問重視型」「まち歩き重視型」「交流重視型」の5タイプに分類。観光地での行動の傾向を食体験型、産業体験型、学習型、民宿型と分析した。
調査の主体となった石巻専修大学経営学部の石原ゼミでは「食とともに産業や学び、知ることの需要も高まっている。観光資源としての食の発掘と同時に、新しいものを生み出す必要がある」としている。
同研究会は水産都市らしい着地型観光商品の開発のために連携を図ろうと、商工業関係企業・団体や石巻専修大学の関係者らで昨年6月に発足した。ツアーの企画などを行っている。
【写真】昨年10月に行ったフードツーリズム研究会企画旅行の初回。石巻の水産加工会社などを回った
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