サバシーズン到来に期待 石巻で130トン水揚げ
一カ月遅く漁まとまり
石巻市 政治・経済 阿部 達人 2019年11月22日(金) 9時47分石巻魚市場に21日朝、巻き網漁のサバが134トンと今季初めてまとまった数量で水揚げされた。例年、サバの水揚げはピーク時期だが、今季は漁模様が1カ月ほど遅れている。小ぶりな魚体が多く、石巻ブランドの「金華さば」の到来宣言はお預けとなったものの、関係者は水揚げに胸をなでおろすとともに、活況へ期待を込めた。
同魚市場における巻き網漁のサバは、昨年実績で金額39億円(全体比21%)、数量約3万2千トン(同30%)と主力品。例年、10月下旬には漁がまとまり、12月いっぱいまでが最盛期となる。
魚体と脂乗りが上等のマサバは「金華さば」としてブランド化しており、名称を冠した加工品も多い。毎年、旬の時期にシーズン到来を宣言しており、昨年は10月26日だった。
ところが今季は漁場形成が進まず、今月18日にようやく5トンを初水揚げ。21日には仙台湾から約70キロ沖合で操業していた船団が魚群を見つけ、石巻に134トン、気仙沼に105トンを揚げた。
石巻魚市場には5隻が入り、魚体は200―300グラムの小型が主体。ゴマサバ交じりでマサバと半々の割合だった。入札価格は110―130円と、このサイズとしては通常より20―30円ほど高値で取引された。
サバは道東沖から南下し、石巻より先に青森県などで水揚げが活発化。今季はそれらの港も水揚げ量がまとまっておらず、今回の水揚げで南下が進んだとは断言しきれない。
それでも今回の水揚げは今後の明るい兆しであり、あすにはさらに多くの船が操業予定。継続的な水揚げと金華さばシーズンの到来に期待が集まる。
同魚市場の佐々木茂樹社長は「サバは魚市場の実績を左右する存在であり、関係者が待ちに待った水揚げ。条件を満たせばあすにもシーズン到来宣言を出したい」と話していた。
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