石巻日日新聞

【カメラリポート】国指定無形文化財 「月浜のえんずのわり」

男子3人 二百余年の伝統継承

東松島市 教育・文化 石巻日日新聞 2019年1月21日(月) 11時31分
初日の11日、学校から帰宅した3人は共同生活に必要な物資をリヤカーに積み込むと、震災以前の集落跡を通って岩屋を目指した

 東松島市宮戸月浜地区の小正月行事で、国指定重要無形民俗文化財の「えんずのわり」が11―16日に行われた。地元の男子小中学生を担い手として200年以上も続く伝統行事で、今年は3人が参加。期間中、子どもたちだけで集落にある五十鈴神社脇の岩屋で共同生活し、身を清めて14日夜に家々を回って〝邪〟をはらう最大行事の「鳥追い」に臨んだ。少子化で存続が危ぶまれる中、岩屋に明かりをともし、地域に家内安全や大漁豊作の声を響かせた「えんずのわり」の模様を伝える。

神社脇の岩屋。今でこそ集会所に宿泊するが、かつてはここで夜を過ごした時代もあった。テレビ局も取材に来ていた
神社脇の岩屋。今でこそ集会所に宿泊するが、かつてはここで夜を過ごした時代もあった。テレビ局も取材に来ていた

慣れた手つきで薪をくべる鈴木凜生さん(右)=鳴瀬未来中1年=。火おこしは年長者である大将の役目だ。
慣れた手つきで薪をくべる鈴木凜生さん(右)=鳴瀬未来中1年=。火おこしは年長者である大将の役目だ。

「神の使い」となった3人は約2メートルの神木を手に
「神の使い」となった3人は約2メートルの神木を手に「えーえーえー、えんずのわりとーりょうば、かずらわってすをつけて、たぁどうかあみさぁ、たーだみいーれで、えんどーがすんまさなーがせ、えーえーえー(意地の悪い鳥を頭割って塩つけて、たとう紙にたたんで入れて、遠い島に流せ)」と唱えた

この日回ったのは高台に集団移転した民家や民宿約30件。
この日回ったのは高台に集団移転した民家や民宿約30件。家族総出で子どもたちを迎え、家内安全や商売繁盛を祈願してもらった

最終更新:2019年1月21日(月) 11時31分
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