月浜えんずのわり 民家回り男児「鳥追い」行事
少子化で継承に課題 福呼ぶ独特の節回し
東松島市 教育・文化 石巻日日新聞 2019年1月15日(火) 14時12分国指定重要無形民俗文化財で、東松島市宮戸月浜地区の小正月行事「えんずのわり」は14日、集落の男児が家々を回り、家内安全や大漁豊作を祈願する行事「鳥追い」を繰り広げた。今年は大将の鈴木凜生さん(鳴瀬未来中1年)、山内紳太郎さん(宮野森小6年)、小野佑真さん(同5年)の3人が担った。
えんずのわりは同地区に200年以上前から根付く伝統文化。「意地の悪い」という意味の方言で、農作物を荒らす鳥を追い払おうと始まった。毎年1月11日―16日に小中学生男児が岩屋にこもり、共同生活で身を清めて鳥追いに備えるのが習わし。
14日は五十鈴神社を参拝した後、子どもたちは「神の使い」として地区の民宿や民家約30件を回った。約2メートルの神木を地面に打ち付け、玄関先で「えーえーえー、えんずのわりとーりょうば、かずらわってすをつけて(意地の悪い鳥を頭割って塩つけて)」と唱え、「じいちゃん、ばあちゃん達者で長生きするように」「商売繁盛するように」などと願った。
少子化と震災の影響で、月浜に住む子どもの数は減少。小学男児は山内さんと小野さんしかおらず、未就学児も山内さんの弟の優汰くん(3)のみ。えんずのわりも当面は3人の状態が続く見通し。
父親の山内健史さん(36)は「次男が加わるまで4年を要す。男児が少ないが、こればかりはどうしようもない」と話す。住民は存続に向けた話し合いを重ねており、女児や他の浜の男児の参加などの案もあるが、伝統文化を変えることに対する難色もあり、意見は分かれる。
保存会の小野舛治さん(69)は「子どもたちは使命感を持って取り組んでおり、その姿を見られるのはうれしいが、何らかの策は必要。形を変えれば伝統文化の価値が損なわれるので難しい」と頭を悩ませていた。
最終更新:2019年1月15日(火) 19時15分
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