石巻日日新聞

出荷開始!秋冬の味覚 うま味凝縮 ぷりぷりの生食カキ

一大産地の石巻地方

石巻市 政治・経済 石巻日日新聞 2019年10月8日(火) 12時47分
各浜で殻むき作業が行われている(万石浦鮮かき共同処理場)

 県内で7日、今季の生食用カキの出荷が始まった。宮城を代表する秋冬の味覚で、中でも石巻地方は一大産地。今年は生食用に適した「卵抜け」になるのを待ち、県指針(9月29日)より約1週間遅い解禁となった。カキ処理施設では地域の誇る味を食卓に届けようと、漁業者らが殻むき作業に精を出した。

 県漁協石巻湾支所の万石浦鮮かき共同処理場では、午前6時半から約150人で1―1.2トンを目安にカキむき作業を開始。積まれたカキを一つ一つ素早くむき、ボウルの中を乳白色に輝く身で満たしていった。

 各浜で処理されたカキは、この日のうちに石巻市渡波の共販所に集荷。入札にかけられて、早いものでは8日に店頭に並ぶ。

 同支所運営委員会の青木英文副委員長は「待ち焦がれた出荷。暑さが続いた影響でまだ身は小ぶりだが、うま味が凝縮している。これから涼しくなれば日々おいしくなる」と期待を込めていた。

 宮城のカキ生産量は広島県に次ぐ全国2位。昨年の出荷量は約1800トンと東日本大震災前に比べて半分程度だが、1経営体当たりでは以前の水準に回復。今年も昨年並みの出荷量を目指す。

 生産量とともに販路が縮小した中、昨年は県漁協石巻湾、東部、石巻地区の3支所で環境に配慮した養殖を示す国際認証のASCを取得。他産地との差別化を図っており、地元に対しては今年も11月23日の「石巻かき祭り」などでアピールする。

 生食カキの出荷時期は3月末までが基準だが、今年から処理場ごとの検査が通れば、加熱用がメインの5月末まで出荷が可能。2年間の試験導入を経ての本格運用であり、出荷量は未知数だが、“生食カキの宮城”としてのイメージを押し出していく。

最終更新:2019年10月8日(火) 12時49分

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