ホール規模など要望さまざま 石巻市複合文化施設
石巻日日新聞 2017年2月4日(土)配信 (仮称)石巻市複合文化施設の基本設計に向けた説明会が1日夜、石巻中央公民館で開かれ、市民ら約50人が施設本体と博物館機能の展示に関する業者提案にさまざまな意見を寄せた。市教育委員会は幅広く意見を聞きながら年度内を目標に基本設計をまとめる考えで、今月20日にも市民参加のワークショップを行う。
同施設は震災で被災するなどした市民会館と文化センターの代替として、約1300席の大ホールと最大400席程度の小ホール、生涯学習、博物館の機能を備える。開成地区に平成32年度末の完成を計画し、市教委は昨年の公募型プロポーザルで、施設本体は(株)藤本壮介建築設計事務所=東京都=、展示は(株)乃村工藝社=同=を基本設計者に選定した。
業者提案による施設本体の外観は、三角屋根を連ねた街並みのイメージだ。敷地の南側に駐車場、北側に一部2階建ての建物を配置。建物前面に横長の共有ロビーがあり、それに面するように住宅街に近い西側から展示、小ホール、生涯学習、大ホールと並べて「開かれた施設」とする。
展示は大河と海の関わりが育んだ石巻の歴史を伝え、次世代に分かりやすい工夫をしながら石巻出身の彫刻家高橋英吉の作品や民俗・考古資料の毛利コレクションを展示する。
説明会では各業者が提案内容を紹介し、出席者の意見を募った。小ホールの規模を巡っては歌唱や舞踊などの団体から600席程度への拡充が要望されているが、演劇関係者は「仙台や東京で需要があるのは100席程度の劇場。400席は集客が大変で、出演者が二の足を踏む」と逆の意見があった。
一方、神楽の関係者は四方から鑑賞できる舞台を求めるなどジャンルによってさまざまな要望が挙げられた。「ホールを単純化すれば自由度が高く使いやすくなり、また利用料を安く設定できるのでは」といったアイデアも出された。
若い世代は「ふらっと来ても無料で使える場所を増やしてほしい」などと意見。横長の施設だけに障害者への配慮が重視されたほか、年配者が会場設営しやすい市民ギャラリーの要望もあった。
次回のワークショップは同会場で20日午後6時半からの予定で、誰でも参加できる。
【写真】業者の企画提案による複合文化施設の模型も展示された
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