石巻日日新聞

 震災直後、石巻日日新聞社が手書きした「6枚の壁新聞」がイオンモール石巻内の未来屋書店石巻店で展示されており、うち1枚は現物が飾られている。特設コーナーに震災関連書籍26冊が並び、新書や絵本なども豊富にそろえた。4月半ばごろまで展示されている。

 同石巻店のコンセプトは「子どもたちの知の拠点」。市内に博物館などが少ないため、「子どもたちの学べる場所になれたら」との思いが込められている。

 毎年、3月11日が近づくと東日本大震災の特設コーナーを設けているが、壁新聞の展示は今年が初めて。尾張早矢香店長は「高校生を中心とした若い世代の反響がとりわけ大きい。震災当時は幼かっただけに記憶もおぼろげなはず。まじまじと読み込む姿をよく目にする」と話していた。


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 サックス奏者による全国規模の大会「第9回Kサクソフォーンコンクール(Kサクソ)」の動画審査部門高校生の部で、石巻西高校3年生でソプラノサックス奏者の菊地恋さん(18)が日本一に輝いた。Kサクソで頂点に立つのは3度目。抜群の安定感と演奏技術の高さ、表現力の豊かさなどが審査員から高評価を得た。

 小学5年時にサックスを始めた菊地さんは、湊中吹奏楽部時代の顧問だった加藤仁久さん(68)の指導で腕を磨き、国際大会でも入賞するほど。Kサクソも加藤さんの勧めで参加した。


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 石巻市の鮎川漁港に16日、沿岸小型商業捕鯨で捕獲されたミンククジラ1頭が陸揚げされた。同漁港では2年ぶりで、3月の陸揚げは初めて。15日に今年の操業を始めたばかりであり、幸先の良いスタートにクジラのまちは活気に包まれた。

体長7.5メートルのミンククジラが陸揚げされた

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 石巻市渡波字栄田にある㈲高橋電気商会の高橋のり子さんは発災当時、事務所内で強い地震に襲われた。「柱にしがみつくのがやっと。上からエアコンが落ちてこないかおびえていた」と振り返る。大津波警報を受けて内陸に孫を連れて避難。この間、無人の店に津波からの避難者が垂直避難先を求めて押し寄せ、30―40人が2階に登って難を逃れた。「店に命を救われた」と、12年過ぎても避難者の感謝は絶えない。

 同商会は昭和49年創業。石巻市立女子商業高校や渡波中学校の真向かいで、中間を国道398号が通る。発災時は店内でテレビの個展(商談会)を行っており、それぞれの画面が緊急地震速報や巨大地震を報じる番組に切り替わり、入口のショーウインドーも割れた。


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 大規模な自然災害が起きた時、ペットのケアは後回しにされることが多い。だが、飼い主にとって大切な家族の一員であることに変わりはない。まだ見ぬ次の災害に向け、東日本大震災から何を学び、飼い主はどう心構えるのか。動物支援を続けるNPO法人アニマルクラブ石巻=石巻市不動町=の阿部智子代表は「飼い主が責任を持って守り抜くことが大切。人もペットもかけがえのない命」と話す。

 震災が起きた時、阿部さんは多賀城市の市民会館でアニマルクラブの活動や保健所での殺処分の現状などを紹介するパネル展の準備をしていた。渋滞や通行止めで自宅まで約5時間を要し、午後8時ごろに到着すると浸水した1階部分で犬2頭と猫1匹が冷たくなっていた。水は室内からだいぶ引いていたようだが、床から約1メートルほどの高さまで浸水した痕跡があった。


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