「部活動の選択肢」 ③ 学区外就学という道
次代への軌跡
石巻市 次代への軌跡 近江 瞬 2020年2月21日(金) 8時40分小学校時代にスポーツ少年団に所属した子どもたちが中学校でも同じスポーツを続けたいと願うのは自然なこと。だが、中学校でその部活動がなかった場合、選択肢は①別の部活動②クラブチームに所属③希望する部活動がある学校に進学―の3つとなる。
③については「学区外就学」として市教委が相当の理由がある場合、保護者の申請により許可している。主な理由として地域的事由、身体的事由、保護者不在、生徒指導上の事由、転居などがあるが、近年はその他として「部活動に関する事由」も含まれるようになり、小学校時代に活動している競技が進学先の中学校にない場合のみを認定。ただし進学先が自由に選べる訳ではなく、あくまで近隣の中学校に限られる。
本年度の学区外就学の生徒数は、全3407人中406人で全体の12%にのぼる。東日本大震災後の住まいの再建に伴う転居で数は多く、このうち部活動を理由としたものはここ4年間10人以上で推移しており、本年度は13人となっている。その上で、市教委は「部活動が本来の理由ながら別の事由の項目で許可を受けている生徒もある程度いるはず」とみている。
また、②については入会費や月会費などがかかるほか、中総体といった学校単位での大会には出場できない上、競技によっては地域にクラブチーム自体が整備されていないものもある。送迎や費用をはじめとした相応の負担と障壁があるため、多くの児童生徒を想定した場合には現実的ではない。
現在、市教委が進めている市立小・中学校の学区再編計画も一つの対応策となる。これは学校の児童生徒数の減少で適正規模を下回る学校が増加傾向にあることを受けてまとめたものだが、1校における生徒数の増加はそのまま部活動の状況改善にも一定の期待が持てるかもしれない。
実際、石巻中と門脇中については、両校PTAが生徒数の減少で一定規模の子どもの学び合いの不足と、部活動の選択の幅が狭まることを理由に早期の統合を市教委に要望。特に「部活動の影響が一番大きい」とし、現在は令和3年度の統合に向け、準備委員会を立ち上げて協議を進めている。

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