「部活動の選択肢」① 人口減で当たり前が崩壊
次代への軌跡
石巻市 次代への軌跡 近江 瞬 2020年2月19日(水) 8時50分小学校時代にサッカースポーツ少年団に所属し、中学校入学とともに当然のようにサッカー部に入った。野球スポ少の同級生は野球部、バスケスポ少の同級生はバスケ部に入部。もちろん新たな競技や文化部を選ぶ人もいたが、小学校時代に打ち込んできたスポーツがある人はそれに継続して取り組みたいと自然に望み、そうしていた。
これまで当たり前だったこの状況が、石巻市では人口減少に伴って児童生徒数が減り続けていることを背景に、当たり前ではなくなってきている。高校であれば自らの努力次第で希望する部活動がある高校へ進学することもできるが、義務教育課程の小中学校では原則としてそうはいかない。
中学校における部活動の選択肢の制限は、在籍者数が以前から少ない半島部などではこれまでも見られていたが、近年は旧市内でも同様の状況が広がっている。地域のスポーツ少年団で努力を重ねたのにもかかわらず、進学した中学校でその部活動がないがために、諦めなくてはならない状況が増えてきているのだ。
それほどに近年の石巻市内小中学校の在籍者数の減少は顕著だ。推移を見ると、いずれも最も多かったのは合併前の旧石巻市単独時代で、小学校は昭和56年の1万2792人、中学校は昭和61年の6330人。これが合併前年度の平成16年には児童6955人、生徒3544人まで半減している。17年の1市6町合併によってこの数は児童9559人、生徒5029人となり、校数も小学校が19から43校、中学校は11から24校に増えた。
ここから14年を経た本年度の在籍者数は合併時比で児童が3133人減の6426人、生徒は1625人減の生徒3404人にまで激減。なお、この数は合併前の旧市単独よりも少ない一方、校数は合併前当時よりも小学校で14校、中学校で8校多い。つまりはその分だけ1校に対する児童生徒数も減っていることになる。
この数は今後も減り続けるのは確実で、市教委では令和10年度に児童が5124人、生徒は3107人となると試算。そうなれば当然、これまでのように1校の中で多様な部活動を存続し続けることは困難となる。

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