石巻日日新聞

釜小卒業制作を後押し 画家柴田さんが特別授業

良い作品より自分らしさ

石巻市 教育・文化 石巻日日新聞 2019年2月28日(木) 14時07分
表現の幅広さを伝えるため、柴田さんが水墨画を披露した

 卒業式まで1カ月を切る中、石巻地方の小学校では卒業制作が始まっている。石巻市立釜小学校(加藤えり子校長)では6年生69人が「心に残る風景」をテーマとし、それぞれが撮った写真を写実的な絵ではなく、自分らしさの詰まった作品に仕上げることに挑戦している。

 27日は、NPO法人にじいろクレヨン=石巻市大街道=の代表で画家の柴田滋紀さんを講師に招いた特別授業を実施した。同校の卒業制作は例年、自画像の版画だったが、本年度はより自由度の高い作品制作に挑戦。児童たちは、この日に向けてそれぞれの思い出の景色を写真に収めており、この写真をもとにどのような表現方法があるのかを学んだ。

 柴田さんは「良い作品を完成させることがゴールになりがちだが、どれだけ自分らしさを出せるかが大事」と説明。その後、6学年担任の加藤一郎、藤坂雄一両教諭をモデルに縦3メートル、横1メートルの水墨画の大作を各5分間で描き上げ、子どもたちを驚かせながら表現の幅広さを伝えた。

 「表現ってどんなものがある?」という柴田さんの呼び掛けに対し、児童たちは音や動き、言葉、匂い、感情など多様な表現を発表した。

 ダンスの練習に打ち込んだ思い出の場所である多目的室を描く予定という6年1組の安藤優亜さん(11)は「選択肢が広がった気持ち。自分らしい表現ができるように頑張りたい」と話していた 。

タグ:釜小学校
最終更新:2019年5月12日(日) 11時19分

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