石巻日日新聞

暖流寒流 コラム

石巻市 コラム 石巻日日新聞 2019年1月14日(月) 14時18分

 華やかな振袖や羽織はかま、背広姿の若者で各会場はあふれていた。就職や進学で古里を離れた人もおり、久しぶりに見る顔に当時の面影を重ねて談笑する姿もあった。きょうは成人の日。多くの自治体は前日の13日に挙行した。

 25年前の話で恐縮だが、矢本町(現東松島市)の成人式は夏だった。降雪期を避けた対応であり、盆帰省中に開いた。皆、軽装で華やかさは特段ないが、同窓会のような盛り上がりは今も忘れず、夏でも冬でも晴れ舞台であることに変わりなかった。

 昨年、成人年齢を現行の20歳から18歳に引き下げる改正民法が成立した。施行は2022年4月1日。飲酒、喫煙など健康面に関することは20歳未満禁止が維持される見通しだが、民法の線引き変更は資格や免許、契約など与える影響は大きい。

 成人の権利が認められれば、同時に社会的責任も背負う。当然の流れだ。国は既に施行済みの18歳選挙権と合わせ、若者の社会参画を促す考えだが、責任の名の下で大人が作った課題を丸投げしても理解は得られない。

 「次の時代を背負うのは君たち」。この言葉も若者に対する押し付けに聞こえてしまう。成人になったことを喜べる社会でなければならない。これは今の大人の責任だ。

(平成31年1月14日)

タグ:暖流寒流
最終更新:2019年1月14日(月) 19時28分

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