石巻日日新聞

小正月行事 「えんずのわり」岩屋で共同生活始まる

宮戸月浜 14日夜は鳥追い

東松島市 教育・文化 石巻日日新聞 2019年1月12日(土) 20時00分
囲炉裏を囲んで暖を取る子どもたち

 国指定重要無形民俗文化財で、東松島市宮戸月浜地区に伝わる小正月行事「えんずのわり」が、11日から始まった。地区内の小中学生男子が担い手となり、200年以上も続く伝統行事。岩屋で共同生活しながら、無病息災や大漁豊作を願って14日に地区内を回る「鳥追い」に備え、身を清めている。

 えんずのわりは「意地の悪い」という意味の方言。農作物を荒らす鳥を追い払おうと始まり、代々受け継がれてきた。月浜地区の小学2年―中学3年が担い手となり、毎年1月11―16日の期間に実施する。

 子どもたちは学校に通う傍ら、地区内の五十鈴神社脇の岩屋で6日間共同生活する。年長者の大将が仕切るのが習わしで、今年は鈴木凜生さん(鳴瀬未来中1年)を筆頭に山内紳太郎さん(宮野森小6年)、小野佑真さん(同5年)の3人が参加した。

 初日は午後3時半ごろから準備を開始。共同生活に必要な物資を岩屋に運び込み、大将の鈴木さんが火おこしや飯炊き、山内さんと小野さんが水くみや調理など役割分担して進めた。

 かつては岩屋で寝食を共にしたが、経年劣化で内壁にひびが入るなど安全配慮が必要となり、寝泊まりは集会所を使う。この日を待ちわびていた子どもたちは、できあがった精進料理を囲みながら会話を弾ませ、岩屋での時間を過ごしていた。

 大将の鈴木さんは「期待と不安が入り混じるが、とにかく今年のえんずのわりを楽しみたい」と話していた。

最終更新:2019年1月12日(土) 20時00分
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