石巻日日新聞

大川小訴訟 上告議案審議 選挙戦控え苦渋の決断

会派内でも考え多様

石巻市 政治・経済 石巻日日新聞 5月9日(水) 18時56分
控訴・上告関連議案に対する議員の賛否

 震災で児童74人、教員10人が犠牲になった大川小事故を巡る訴訟で石巻市議会は8日、市が控訴審判決を不服として最高裁に上告することを可決した。14億円余りの賠償を受け入れ、学校現場や教育委員会の事前防災のあり方に高いハードルを設けた同判決に従うか否かは賛否両論があり、起立採決の結果は僅差だった。賛否が13日に告示される市議選(20日投開票)を左右しかねない多くの議員は、苦渋の決断を迫られた。

 最大会派のニュー石巻(13人)は控訴関連議案を可決した平成28年10月の臨時会に続き、個々の議員の自主判断で起立採決に臨み、3人が前回と異なる判断をした。阿部欽一郎会長は「議員の意思を尊重し、会派として縛りをかけなかった。市民からのプレッシャーがある中、おのおのが苦渋の決断をした」と述べた。

 石巻復興の会(6人)も議員の地域性の違いを考慮して自主判断に委ねた結果、前回に続き全員が賛成した。千田直人会長は「最高裁に上告すべき案件。個人的には信念を貫くことができ、評価する市民もいる」と語った。

 創生会(5人)も同様に自主判断とし、2人が前回から態度を変えた。青山久栄会長は「二審判決の内容は、一自治体でやれる話でない。選挙を控える中で、おのおのが議員としての明確な意思を示した」と評価した。

 一方、公明会(3人)は全員で意思統一した上での反対。伊藤啓二会長は「天災で片付けようとする対応に疑問。二審判決を受け入れ、学校防災を抜本的に変える時代だ」との考えを述べた。

 共産党市議団(2人)の水澤冨士江幹事長は、「選挙が近い今だからこそ多くの市民と話し、裁判の継続を望まない声も多くあった」と会派で話し合った結果を意思表示した。

「暫時休憩」が2時間半 理由伝えられず不満の声 傍聴ヤジも進行の妨げに

 午後1時に開会した市議会臨時会は、行政報告や平成29年度専決補正予算などを承認した後、大川小訴訟の上告関連議案の審議を前に2時9分から「暫時休憩」に入った。午前中に2議員から通告のあった訴訟関連の緊急質問に対する市当局の答弁書作成のためだが、傍聴者には理由も再開時間も告げられず、やきもきしながら4時30分まで2時間20分余り待ちぼうけ。結局、開会から閉会まで約5時間半を要した。

 休憩前に「再開時間は追って連絡いたします」と議会事務局が伝えたきり、何ら連絡がないまま2時間が経過。傍聴席からは「議会を聞いて20年になるが、(休憩で)2時間待ったのは初めてだ」「昼に想定問答を用意しておけ」とぼやく声や、「早く始めろ」と議長に詰め寄る人もいた。

 議員らは会派室などで再開を待ったが、茶を飲みに議会棟を出る人も。全国的に注目を集める議案だけに多くの報道陣が詰めかけたが、保安上の理由から議会棟での取材が制限されるなど異例の状態が続き、4時15分になってようやく再開時間が伝えらえた。

 いらいらが募ったせいか、遺族ら関係者ではない一部の傍聴者がヤジを連発し、質問や答弁が聞こえないこともあった。ヤジへの注意でたびたび議事進行が妨げられ、再開から閉会するまでさらに約2時間を要する長丁場の臨時会だった。

タグ:大川小訴訟
最終更新:5月9日(水) 18時56分

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