石巻日日新聞

大川小訴訟 石巻市が上告の方針を決定

8日午後、市議会臨時会に提案

石巻市 政治・経済 石巻日日新聞 5月7日(月) 16時24分
報道陣の質問に答える亀山市長

 東日本大震災の津波で大川小学校の児童、教員84人が犠牲となり、このうち児童23人の遺族が起こした訴訟で、石巻市の亀山紘市長は市と県に賠償を命じた二審判決を不服として最高裁に上告する方針を決め、7日朝に市議会の丹野清議長に臨時会の招集を申し入れた。臨時会は8日午後1時に開会する予定。

 同訴訟の上告期限は10日。1日に市議会の丹野議長と面会した亀山市長は、8日朝までの判断を求められていた。亀山市長は7日午前9時ごろ、再び市役所6階の議長室を訪ね「上告に向けて議会の議決をいただきたい」旨を申し入れた。

 議長室を退室した亀山市長は報道陣の質問に答え、「(津波の襲来が)事前に予知可能との推認は、科学的根拠を欠いている。校長らが専門家並みの高度な知識を有する必要があるとの判断は、学校に求めるには無理がある」と上告の理由を述べた。

 市が控訴を諮った平成28年10月の臨時議会では、議長と欠席の2人を除く26議員の起立採決の結果、賛成16、反対10で可決。ただ、市議選の告示を13日に控えた今回は、採決の結果が選挙に影響する可能性があり、前回と同じように可決されるとは限らない。

 臨時会に提出する関連議案は、上告にかかる訴えの提起と費用を計上する本年度一般会計補正予算案など。8日午前10時に議会運営委員会を開催し、採決方法などを決める。

 大川小を巡っては、一審の仙台地裁は教員の避難対応の過失を認め遺族側が勝訴したものの、双方が控訴。仙台高裁はこれを変更し、学校や市教委の組織的な事前防災の不備を認定して市と県に一審よりも1千万円多い約14億3600万円の賠償を命じる判決を4月26日に言い渡した。

亀山市長 一問一答

「想定外の震災」強調

津波予見など納得せず

 上告の方針を固めた亀山市長は7日午前9時20分ごろ、報道陣の質問に答えた。主な質問と回答は次の通り。

 ―上告の理由は。

 亀山市長 控訴審判決の事前防災(の不備)については、学校管理下で多くの児童が犠牲になったことを重く受け止めており、教訓として取り組まないといけないので評価している。

 ただやはり、(津波の襲来が)事前に予知可能という推認については、参考資料を読んだが、科学的根拠を欠いている。東日本大震災が予見できたかは、皆さんにも問いたい。我々には想定できなかった大災害。

 また、事前予知のマニュアル化について、校長らが高度な知識を有する必要があるとの判断は、学校に求めるには無理がある。

 ―控訴は数日で決めたが、今回は時間がかかった。

 市長 一審と二審で判決内容がまったく違う。判決文を読んだだけでは判断できず、引用されている部分を手にできるものはすべて読んで判断させてもらった。

 ―議会に承認されない場合は。

 市長 上告しないということになる。

 ―上告については県と話し合ったか。

 市長 これから。議決を得た上で話し合いたい。

 ―議決の見通しは。

 市長 厳しいと思う。議員も大変な判断になる。市議選があるが、議員としての務めを果たしていただきたい。

 ―専決処分にしなかったのは。

 市長 それは議会軽視になる。

タグ:大川小訴訟
最終更新:5月7日(月) 16時24分

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