石巻日日新聞

厚労省・病院再編要請 再建間もない石巻市立該当

病院長「理不尽」と不満

石巻市 政治・経済 石巻日日新聞 2019年9月30日(月) 8時47分

 厚生労働省は26日、再編や統合の検討を促す全国424の公立・公的病院名を公表し、石巻地方では石巻市立病院と市立牡鹿病院が含まれた。ともに診療実績が乏しく、近隣に似たような施設があると分析された。

 このうち東日本大震災で被災し、平成28年9月に移転開院した市立病院の椎葉健一病院長は27日、市役所で会見し、「開院直後のデータで評価され理不尽だ。市民への不安、不信感を生み、スタッフのモチベーション低下につながる」と疑問を呈した。

 会見によると、厚労省が発表した診療実績は平成28年7月―29年6月のデータで解析。市立病院は28年9月の再開であり、椎葉病院長は「10カ月のデータで評価された。医療体制を整えていた時期であり、横並びで評価されること自体理不尽だ」と不満を述べた。

 市立病院のまとめで1日平均外来患者数は28年度93.2人、29年度123.5人、30年度158.2人、1日当たりの一般病床利用率は28年度65.4%、29年度76.3%、30年度77%。いずれも改革プランの目標値には達していないものの、外来診療科目の拡充や一般病床の地域包括ケア病床への転換などで実績を上げている。

 一方、類似・近接の医療機関があるとの評価に対して椎葉病院長は、「県の医療圏構想にのっとっている。市立病院は医療圏の中核である石巻赤十字病院を補完する役割があり、連携が深まっている」と反論した。

 さらに不足する医師の確保に苦慮している中で、今回の発表には「極めて大きな影響がある」と怒りをにじませた。牡鹿病院に関しては、在り方検討会を立ち上げて議論を進めているところだという。

 厚労省は来年9月末までに結論を出すよう、各自治体に対応方針の議論を要請することにしている。

最終更新:2019年9月30日(月) 8時47分

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