石巻日日新聞

ノリの種付け始まる 石巻湾支所で60人作業

力強く回る水車に豊作願う

石巻市 政治・経済 石巻日日新聞 2019年8月29日(木) 17時53分
雨の中で種付け作業に当たった

 県内のノリ養殖は種付けの時期に入り、県漁協石巻湾支所でも28日から作業が始まった。石巻市渡波のかき処理場敷地内に直径約2.2メートルの水車10台を置き、養殖網を巻いた車輪を水槽にくぐらせてノリの胞子を付着させた。

 種付けはその年のノリの出来を左右する重要な作業であり、秋の訪れを感じさせる港町の風物詩。石巻湾支所ではこの日、漁家のほか、市の担い手育成事業の漁業従事者ら約60人で作業した。

 水車を一定時間回した後、養殖網の一部を切り取り顕微鏡で胞子が付いたか観察。付着が確認されれば、新しい養殖網に換えて作業を繰り返した。

 水車から外された養殖網は胞子を定着させるため、別の水槽に4時間ほど置き、陰干ししてから冷凍保管。同支所では9月中頃までこの作業を続ける。その後は波が穏やかで干満差のある松島湾に網を設置し、胞子の成長を促す。さらに石巻湾管内の沖合約3キロの養殖棚に移し、発芽したノリの摘み取りは11月初旬ごろに始まる。

 同支所は今年の生産量を、約5700万枚だった昨年並みと見込む。近年は高水温の影響で全国的に不作傾向にあり、県産の需要は増しているという。

 同支所の丹野一雄運営委員長は「輸入物も多く出回るようになったが、石巻産の安心安全でおいしいノリをPRしていきたい」と話していた。

最終更新:2019年8月29日(木) 17時53分
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