石巻日日新聞

五輪聖火リレーの通過決定 石巻市は来年6月20日

被災沿岸全15市町巡る

広域 スポーツ 石巻日日新聞 2019年6月1日(土) 21時01分

 来年の東京五輪で聖火リレーが通過する市町村が1日に発表され、宮城県は石巻市、東松島市、女川町を含む16市町村が選ばれた。県内は6月20―22日の3日間で、石巻市と女川町は20日(土)、東松島市は21日(日)。女川町は1日目の最後、東松島市は2日目の最初となる。具体のルートは未定だが、復興五輪として東日本大震災で被災した沿岸の全15市町を巡ることが確定し、石巻地方の各首長は復興の姿の発信や支援への感謝を伝える機会として歓迎した。

 通過市町村は同日、大会組織委員会が発表した。47都道府県すべてを回る聖火リレーは来年3月26日に福島県からスタートし、宮城県は岩手県に次いで40番目の通過となる。

 1日目は気仙沼市を出発し、南三陸町、石巻市を通り、この日のゴールとなる女川町(女川駅前)で最終聖火ランナーが聖火を聖火皿に灯すなどのセレモニー(セレブレーション)が行われる。聖火はランタンに格納され、2日目の開始地である東松島市に車両で運ばれる。

 ランナーは十数台の車両と隊列を組み、原則1人ずつ約200メートルの走行となる。リレーは市町村ごとに行われ、それぞれ聖火の出発、到着を祝うイベントを行うことが想定される。

 石巻市の亀山紘市長は「県内沿岸市町に配慮していただいた」と選定に感謝。「復興完結への道をたどっている姿、支援に対する感謝の気持ちを世界に発信できるよう取り組んでいく」とコメントした。

 東松島市の渥美巖市長は取材に対し、「復興五輪の名の下に開催される五輪であり、被災地として心から感謝したい。本番に向けてより一層五輪ムードを盛り上げていきたい」と述べた。女川町の須田善明町長は「平和と希望の象徴である聖火が町民一人一人の新しい時代のスタートを照らす。五輪成功の一助となれるよう全身全霊で準備を進める」と談話を発表した。

 ギリシャで採火された聖火は来年3月20日に東松島市の航空自衛隊松島基地に到着。リレーに先立って「復興の火」として石巻市(同日)など被災3県で巡回展示される。石巻地方での聖火リレーは初めて。

最終更新:2019年6月1日(土) 21時01分

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