石巻日日新聞

津波伝承復幸男 「逃げろ!」高台へ250人疾走

優勝は千葉県の高田さん

女川町 教育・文化 石巻日日新聞 2019年3月25日(月) 14時59分
津波到達時刻に坂道を一斉に駆け上った

 女川町で23日、津波襲来時に高台避難の教訓を伝える「津波伝承復幸男」があり、参加した町内外の253人が、町役場北側から白山神社までの424メートルを駆け上がった。1位の高田将さん(29)=千葉県流山市=に「女川復幸男」の称号が与えられた。

 復幸祭実行委が津波伝承の年中行事にしようと、平成25年から毎年実施。町中心部の道路整備に合わせ、今年は前年より約24メートル長くコースを設定した。ベビーカーに子どもを乗せた母親や社会人ランナーなど幅広く参加した。

 スタート時刻は、東日本大震災で町に津波が到達した午後3時32分。参加者たちは「逃げろ!」の掛け声で海を背にスタートし、沿道に集まった町民のエールを受けながらゴールを目指した。

 1分6秒07の記録で「復幸男」に輝いた高田さんは、5回連続の出場で、3年ぶり3回目の優勝。終盤で差を付けてゴールした。

 中学校教師の高田さんは「生徒に津波を伝える上でも、被災した地域に足を運ぶのは大事。こうした機会で今後も女川と携わっていければ」と話した。復幸祭の開会式では「きぼうの鐘」を打ち鳴らし、催しの始まりを告げる役割も担った。

 なお、2位は1分7秒96でゴールした仙台市立南中山中の山田瑞貴さん(15)、3位は1分8秒61の古川工業高の小島涼太郎さん(18)となった。

最終更新:2019年3月25日(月) 14時59分

新着記事