石巻日日新聞

石巻川開き祭り開幕 今年も熱いぞ 夏絵巻 まちなかにあふれる活気

石巻市 教育・文化 石巻日日新聞 2017年7月31日(月) 15時04分
チーム一丸で戦う孫兵衛船競漕。水しぶきを上げ、ゴールを目指した

 石巻市の夏の最大イベント「第94回石巻川開き祭り」(同実行委員会主催)が31日に始まった。梅雨明けしないままの開幕だが、好天に恵まれ、午前は青空の下で孫兵衛船競漕の予選、大縄引き大会などがあった。また、アイトピア通りには市民手作りの七夕飾りが掲げられ、老若男女でにぎわった。夜は東日本大震災供養祭(午後6時半から)などをいしのまき元気いちば駐車場で開催。旧北上川に約5千個の灯ろうを浮かべ、供養花火(同7時45分から)とともに震災犠牲者に祈りを捧げる。あす8月1日はパレード行事や花火大会を催し、熱気と活気で復興後の未来像を描いていく。

■水上バトル 孫兵衛船競漕

 旧北上川河口で行われた伝統の孫兵衛船競漕は一般に43、女子のミニには14の計57チームがエントリー。選手たちは「キャッチ」の掛け声で心と呼吸を一つにオールを漕ぎ、予選突破を目指した。

 午前中は天候が良く波も穏やかな絶好のコンディション。石巻大橋から下流に向けての400メートル区間のコースで予選は一般が1レース2―3組、ミニは2組で勝負し、各組の1位が8月1日の準々決勝にコマを進めた。

 水上で真剣勝負を繰り広げたライバルたちも陸に上がれば勝敗に関係なく互いに健闘をたたえ合う姿が見られた。岸では各企業や団体の関係者がエールを送っていた。

 石巻支援学校の教職員で構成する「石蛇組一号艇」は一般に出場。鹿島大志さん(26)は「チームワークが良く、真剣に楽しく競技ができた」と汗を拭った。ミニの部で力漕した県職員有志の「こぐっちゃ2017」の橋爪有子さん(39)は「水の上はとても気持ちがよかった。予選突破できたのでこの勢いで優勝したい」と話していた。

■縄張神社奉納大縄引き大会

 石巻川開き祭りの陸上行事は、縄張神社奉納大縄引き大会で幕開けした。懸念された雨がうそのような晴天に恵まれ、歩行者天国となった会場の立町通りでは、子どもから大人までが一本の綱を握りしめて夏らしい熱戦を展開。威勢の良い掛け声で祭りを盛り上げた。

 大会は川村孫兵衛翁が北上川を開削する際に測量に用いた縄を同神社に納めたことにちなんだ行事で、毎年の川開き陸上行事でトップを切って行われている。今年の綱引き競技には、大人の部13チーム、小学生以下の子どもの部は7チームがエントリーし、それぞれのトーナメント戦で頂点を目指した。

 選手たちは職場の作業着やおそろいの法被などに身を包んで臨み、「せーの」や「オーエス」といった掛け声で息と心を合わせて綱を引いていった。勝敗が決まるたびに会場が歓声に包まれた。

 全試合終了後は、東が勝てば大漁、西なら豊作となる全長150メートルの東西大縄引きも実施された。

威勢の良い掛け声が響き、熱戦が繰り広げられた
威勢の良い掛け声が響き、熱戦が繰り広げられた

■アイトピアに七夕飾り

 アイトピア通りでは市民手作りの七夕飾りが祭りに花を添えている。石巻市内5つの小学校など計26団体が手掛けた彩り豊かなかご飾りや吹き流しが風になびき、ムードを盛り上げている。

 川開き祭りの七夕飾りは震災の影響などで一時途絶えていたが、まちづくり団体イシノマキ2.0が中心となり2年前から復活。市民が制作ワークショップを通して、祭りの伝統を守っていく仕組みとして定着した。

 31日は午前5時から2.0スタッフや商店主ら約40人が通りを挟むように高さ約12メートルの笹竹20本を設置。アイトピア通りが歩行者天国になった10時以降、竹に飾りを吊るしていき、まちを華やかに仕上げた。通りを行く市民たちも装飾を眺めたり、写真を撮るなどして楽しんでいた。

アイトピア通りで七夕飾りを見上げる親子
アイトピア通りで七夕飾りを見上げる親子

最終更新:2019年6月3日(月) 20時14分
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