石井水門に巨大扉設置 重要文化財と地域守る
2020年末供用へ
石巻市 社会 石巻日日新聞 2018年12月6日(木) 14時13分配信震災の復興事業として旧北上川、北北上運河の合流地点に津波や高潮に対応した「石井水門」の新設工事が進む中、東北地方整備局北上川下流河川事務所は11月28日、水門の扉設置工事を報道公開した。扉は船舶が通航できるように観音開き方式を採用。27日に右側扉、28日には左側扉を大型クレーンで設置した。
石井水門は、旧北上川計画堤防整備の一環。国の重要文化財である石井閘門のかさ上げが行えないため、閘門前面に代替治水施設を新設置。堤防高も合わせる工事とした。
新たな水門の施工場所は、もともと川が流れていたため、27年度に土留、仮締切工として鋼矢板で水の影響を防ぎ、そこから地盤改良工事や基礎杭の打設工を実施。29年度から水門本体工事が本格化し、30年3月までに完成。これを受け、水門の扉を設置する工事を開始した。
扉は約3億7千万円かけ、27年から北海道北広島工場で作り、大型フェリーなどで運搬。1枚あたり高さ8.5メートル、横幅7.5メートル。重さ38.8トン、海水の影響を受けにくいオールステンレス製とし、扉の上部に開閉装置を設置しない観音開き方式を採用することで、景観にも配慮したデザインとなっている。開閉時の所要時間は約30分。
扉の設置工事費は8500万円、水門全体の整備費は約30億円にのぼり、2020年3月末までの供用開始を目指す。完成後は、船舶の航行用に常時開放し、災害時に閉鎖する。
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