石巻市総合防災訓練 安全な場所へ一斉避難
助け合いで育む防災力
石巻市 政治・経済 石巻日日新聞 2018年11月5日(月) 16時39分配信「世界津波の日(5日)」を前に、大規模災害を想定した石巻市の平成30年度総合防災訓練が4日、市内各地で行われた。大津波から身を守るため、自宅から最寄りの高台や安全な場所を目指す避難行動、地域単位での防災訓練の2部構成で実施。スローガンに「自分の命は自分で守る、みんなの命は地域で支える」を掲げ、市民が助け合いながら地域の防災力を高めた。
訓練は午前9時2分に宮城県沖を震源とする最大震度6強の巨大地震が起き、3分後に大津波警報が発表された想定で実施。さらに前日の大雨で土砂災害の危険性が高い状況も設定し、内陸部での避難行動も促した。
避難行動訓練は防災行政無線のサイレンや災害情報メールが合図。指定避難所の一つである開北小学校には防寒対策を施し、非常用持ち出し袋を手にした地域の人々が身を寄せた。校舎に着くなり町内別の避難者名簿に記入し、津波到達予想の午前9時半までに避難完了を目指した。
市によると、開北小での訓練には約600人が参加。水明北一丁目の庄子れい子さん(69)は、小学生2人と1歳半の孫と避難してきた。「母親が急きょ仕事になったので私が連れてきた。実際の災害時に同じような状況だと頭が真っ白になると思う。こうして訓練できてよかった」と話していた。
視察した亀山紘市長は「真剣な避難行動に心強さを感じた。石巻市は海、川、山に囲まれており、今後も地域に起こり得る災害に備えていきたい」と話していた。2部では同校敷地内で火災を想定したバケツリレーを行い、住民がプールから校舎正面玄関まで約150メートルをつないだ。
さらに県消防ヘリコプターが校舎屋上の救助者をつり上げる訓練を披露。自衛隊の炊き出しや日本カーシェアリング協会による電気自動車からの電気供給の実演もあった。
市は今月末までに参加率を公表する見通し。総合防災訓練は昨年度から「世界津波の日」前後の11月第1日曜日としており、昨年の参加率は震災後で最も高い14.9%だった。
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