「部活動の選択肢」 ④ 地域、学校との連携が鍵
次代への軌跡
石巻市 次代への軌跡 近江 瞬 2020年2月22日(土) 8時42分児童生徒数の減少を背景とした中学校における部活動の選択肢の縮小。現時点で対応策としては、一定条件を課した上での部活動を事由とした学区外就学の許可と、適正規模を維持するための学区再編が挙げられる。だが、今後も児童生徒数の減少傾向は変わらない見込みである中、部活動の休・廃部で岐路に立たされる児童生徒は多く出てくることだろう。
実際に子どもが中学校入学後、または入学前に希望の部活動の休・廃部に直面した保護者が一様に口にするのが、「決定事項として提示され、しっかりと意見を交わす機会がなかった」ということ。学校は地域づくりの核であり、中学校の部活動の存続の有無はスポ少に所属する児童をはじめ将来世代にも影響を及ぼす決定になる。最終的に廃部に向かうとしても保護者らとの協議がなければしこりを残し、不信感を募らせることとなる。
ただし、生徒数の減少で教職員も減員され、その中で少人数の部活動を存続させて乱立させれば、適正な運営をするのは難しい。これは学校現場の現実的な悩みでもある。また一方で、休・廃部となる部活動の多くはある程度の人数を必要とする団体競技であり、生徒の減少によって少ない人数での競技ばかりとなれば、教育の一環として協調性を育むなどの部活動の目的を逸することにもなりかねない。
また、対応策の一つである学区再編については現時点で石巻中と門脇中が令和3年度、万石浦中と荻浜中、飯野川中と河北中は検討中であるのみで、全域で課題となる部活動問題の大きな改善にはつながらないだろう。
少子化による運動部の存続危機については、平成30年3月にスポーツ庁が策定した「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」でも触れられており、多様なニーズを踏まえることを求めている。
その上で、複数校の生徒が拠点校の運動部に参加するなど合同部活動の取り組みの推進や、総合型地域スポーツクラブや地域のスポーツ団体と学校の連携による環境の充実を明記した。
石巻市が令和8年度までの10カ年で策定した「石巻市スポーツ推進計画」においても、外部指導者の活用をはじめ、同様の指針が示されてはいる。【近江瞬】

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