「部活動の選択肢」② 入部意向と休、廃部の決断
次代への軌跡
石巻市 次代への軌跡 近江 瞬 2020年2月20日(木) 8時35分石巻市内小中学校の本年度の児童生徒数を1市6町合併時と比較すると、児童が3133人減の6426人、生徒は1625人減の3404人。市教委は令和10年度に児童5124人、生徒3107人となる試算を出している。
小学生では、児童数の減少などで各スポーツ少年団の団員不足が深刻化しているが、中学校でも同様に多くない生徒で複数の部活動を構成することとなり、部によっては競技人数が集まらないケースが頻出。この状態が続けば廃部となり、結果としてこれまで維持されてきた多様な活動の提供が困難となる現実に直面している。
こうなると中学校進学の際に岐路に立たされるのが、小学校時代にサッカー、野球、バスケットボール、陸上といったスポ少で活動してきた児童。一例を挙げれば、石巻中にはサッカー部がなく、湊中でもサッカー部と女子バスケ部がないほか、野球部も今夏の3年生の卒部をもって休部となる。山下中は男子バスケ部がなく、サッカー部も昨年度で廃部となった。
市内のある中学校では、本年度をもって男子バスケ部が所属していた3年生1人の卒業に伴い実質的に廃部となる。ただ、同校に進学する小学6年生の中にはバスケ部への入部を希望していた児童が5人おり、急に失われた選択肢に戸惑いが広がった。
バスケの場合、5人いれば試合に出場できるため、児童と保護者は存続を求めたが、同校の規則で手続きが進められ覆らず。小学6年生に向けた部活動の意向調査には「男子バスケ部」の項目はなく、小中学校の意思疎通がうまく図られなかった。
結果、児童たちはバスケを続けるかどうかで離ればなれに。別の部活に入ることを決めた児童は「5人でバスケを続けたかった」と吐露し、保護者も「スポ少の状況や意向も加味してほしかった。今の5年生以降もずっと同じ悩みを抱えることになる」と悔やんだ。
学校側も児童生徒の思いに寄り添いたい一方、生徒数の減少に伴う教職員数の減員に頭を悩ませているのも事実。働き方改革が叫ばれる昨今、今の教職員数で適正な部活動運営を維持するためには苦渋の決断が求められる場面が今後もあるだろう。

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