石巻日日新聞

聖火到着式の概要公表 来年3月 松島基地

子どもたちが出迎え

広域 スポーツ 石巻日日新聞 2019年10月29日(火) 8時35分
聖火を運ぶ特別輸送機「TOKYO 2020号」 ⒸTokyo 2020

 2020年東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会は28日までに、東松島市の航空自衛隊松島基地で来年3月20日に行う聖火到着式の概要を発表した。聖火はギリシャから特別輸送機で運ばれ、石巻地方2市1町の子どもたち200人が迎える。ともに五輪3連覇した野村忠宏さん(柔道男子)、レスリングの吉田沙保里さん(レスリング女子)が聖火の運搬役を務める。

 聖火は3月12日にギリシャの古代オリンピア市で採火され、同国内をリレーした後、同19日に日本へ出発。翌20日の日中に松島基地に到着する。聖火は「復興の火」として、この日から25日まで東日本大震災の被災3県を巡回し、石巻市の「石巻南浜津波復興祈念公園」でも20日に展示。福島県のJヴィレッジから、26日に聖火リレーがスタートする。

 ギリシャからの聖火の輸送には、日本航空(JAL)と全日本空輸(ANA)が共同運航する特別輸送機「TOKYO 2020号」を使用。国内大手2社が共同運航するのは史上初めてで、両社のロゴが並ぶ珍しい機体となる。機体の前方には聖火ランナーのピクトグラム(絵文字)が施され、後方の垂直尾翼にかけて聖火の赤い炎が描かれる。

 到着式では元オリンピアンの野村さんと吉田さんが、聖火の入ったランタンを持って降り立ち、子どもらに付き添われてステージに登壇。壇上で聖火皿に点火する。

 大役への抜てきに野村さんは「大変光栄に思う。聖火を日本に届けられる誇りと喜びを胸に重責を果たしたい」、吉田さんは「身が引き締まる思い。聖火は国民の皆の夢と希望を乗せて全国をリレーでつなぐ。五輪スタジアムの聖火台に灯される瞬間を楽しみにしている」とコメントした。

 地元の渥美巖東松島市長は「今大会は震災の“復興五輪”に位置付けられており、被災した地域の子どもたちが式典に参加できることがかない、うれしく思う。児童の決め方など具体は今後関係機関と調整していくが、少しでも多くの市民が参加できるよう要望していく」と話していた。

最終更新:2019年10月29日(火) 8時35分

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