にぎわいの拠点エリア 来月4日一部オープン 愛称は「ホエールタウンおしか」
観光物産施設など完成
石巻市 政治・経済 石巻日日新聞 2019年9月7日(土) 8時37分石巻市が東日本大震災で被災した鮎川浜で整備を進めてきた「牡鹿地域拠点エリア」が一部完成し、10月4日にプレオープンする。供用開始するのは観光物産交流施設と環境省の牡鹿半島ビジターセンターで、ホエールランドの再建が終わる来春に全体のオープンを記念した式典を計画している。人口減少する地域のにぎわい創出拠点であり、エリアは「ホエールタウンおしか」、観光物産交流施設は「cottu(こっつ)」の愛称も決まった。
同エリアは、海抜6メートルの高さにかさ上げした鮎川港東側約2万4千平方メートル。大屋根の下に観光物産交流施設やビジターセンターなど3つの平屋施設を集約し、県道を挟んで向かい側に自力再建店舗用地を確保した。駐車場は2カ所で94台分。一般社団法人鮎川まちづくり協会がエリア全体の指定管理を担う。
このうち観光物産交流施設は鉄骨造(延べ床面積1286平方メートル)で、観光インフォメーションセンターのほか、離島航路の発券所・待合所と飲食店・物産販売店の7つのテナントからなる。24時間利用可能な公衆トイレ、授乳室も整備した。
愛称は昨年に一般公募し、拠点エリアは「鯨のまち」としての親しみと食事・遊び・学びなどすべてが詰まったまち、古里のような存在を願って命名。観光物産交流施設は「こっち」のなまりで、「こっち(=牡鹿)においで」「すてきな時間を過ごせるのはこっち」を表す。それぞれ70点と69点から選ばれた。
ビジターセンターは鉄骨造一部木造(同858平方)。展示室や研究室を設け、三陸復興国立公園の南端にある牡鹿半島の自然や文化の紹介、これらを生かした観光、環境教育プログラムを提供する。
これから本格的な建設工事に入るホエールランドは鉄骨造(同1127平方メートル)で、骨格標本など流失を免れた展示物を可能な限り活用。映像も用い、鯨の生態や鮎川の捕鯨の歴史を紹介する。
来春はエリア北側の多目的広場やイベント広場も完成。屋外の展示捕鯨船の改修、周辺広場整備も進める。現状で自力再建店舗用地への出店はなく、市は近く再募集する。仮設商店街「おしかのれん街」から数店舗が観光物産交流施設に入る。
来月のプレオープンはテープカットなどで祝い、愛称命名者の表彰などもある。周辺は防潮堤や河川整備など複数の工事が進行。拠点エリア整備も時間を要したが、亀山紘市長は「皆さんに愛される施設として、交流人口の増加に寄与する」と期待を述べている。
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